庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

国創りの将来像は「日本人の価値感に沿った創造」に。

2011-10-25 | 国創り政治問題
日本の国造りの目標を、過去の『加工貿易立国』から、次の段階の『高付加価値創造立国』に転換して行く必要性を書いてきた。
日本は既に、世界標準型の大量普及商品の生産には適さない国に成長している。
これから発展してくる途上国や経済成長が著しい新興国においては、普及型商品の市場需要は膨大であり、その市場に供給する大量生産品は、その地域、国において生産するのが、もっとも適している。
これに逆らう様に、日本国内に生産拠点を引きとどめようとする政策は、単に海外への移転時期を遅らせるだけに終わる。

そんなことをしたら、貿易収支は赤字になって、日本は先行きの国の成り立ちが覚束なくなる、と心配する「加工貿易一辺倒信者」が、日本にはまだ多く存在している。
この人達は、1960年代から1980年代に、日本の産業界の第一線で活躍して、日本の高度経済成長を実現して、世界一流の豊かな国にしてきた実績がある。
しかし、その成果は史上最高レベルの「長期円高」であり、【総需要不足に起因する長期デフレ】であることは、誰しも認めることである。

一般的な世界標準、大量生産製品の「モノつくり産業」は、すでに日本では【価値を産まない産業】となっている。
当面の雇用維持には貢献するであろうが、世界的な価格競争にさらされるので、「長期円高の日本」では人件費の削減、労働条件の低下は避けられない。
これにしがみついてでも、生活を維持しなければならない人たちが増え続けることは、国の将来は決して安心できる状況にはならない。
格差社会の拡大や、将来不安に備えての貯蓄指向の増加は、経済成長や豊かな社会への進展を阻害するばかりである。

日本は今や、海外への投資資金からの利益や、海外事業展開においての収益の一部を仕送りするおカネに、潤う国になっている。
そのおカネを重点的に、日本の価値感や慣習に沿って、より付加価値の高い商品やサービスの開発に力を注ぎ、国内需要を上向きに転換するべきである。
【ガラパゴス化】と揶揄されようが、日本人が最も価値を認める方向に、生活の質を高める商品とサービスを改革し発展させることに尽きる。

模範として来た「アメリカ型経済」や、「EUの経済統合」の行き詰まりを、充分に評価しながら、日本の国創りの進路を検討すべき段階である。