東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
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死の作法

2010-06-14 | 人生の気づき
一昨日、母の友人の葬儀に参列した。家族ぐるみの付き合いであったため、母と私たち夫婦、そして、弟夫婦も参列。この方は、昨年の10月に癌が見つかり、その後、治療を施したが、薬効なく故人になられた方である。

先ず、驚いたのが、受付にて、「故人の遺言にて、香典はご遠慮させてください」との表示である。さらに、話をお聞きするにつけ、人間として見事な「死の迎え方」であったことが分かった。

まず、参列者に対する配慮から、葬儀では香典をお受けしないように親族の方に指示されている。さらに、ご主人に先立たれ、子供さんもいなかったため、身の回りを世話された親族の方に、様々な気配りをされていた。自分が費用を持ち、葬儀参列の衣装を事前に購入させたり、最期を看取ってくれた姪御さんに自分の家を与えている。さらには、菩提寺に対しては、自分の法要のための永代供養まで段取りされていた。

がん治療で苦しむ中、このような手配を完了されていることをお聞きして、人としての死の迎え方を学んだ次第である。人間の最期、死を迎えるときに、何を考えどのような行動をとるか、人としての真の力量が試されるときである。死の直前の力は、飾り物ではなく、真の人間力というべきものであろう。

ご指導ありがとうございました。