東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
毎日読んでいただくと、心がホンワカ・・・

リスク管理

2008-12-08 | 経営の気づき
私の母は、ボケ防止に、セルフ店の買い物の時に、価格を暗算集計しながらチェック
しています。おかげで、今年に入って、2件(ホームセンターとスーパー)のレジ・
ミスに気づきました。


最近のセルフ店は、POSレジで購入価格を提示してくれるものですから、消費者はコ
ンピュータ処理に安心してしまって、絶対に計算間違いをしないと思い込んでいま
す。しかし、よくよく考えると、コンピュータでもミスを犯します。
バーの印刷時、若しくは、価格データの入力時には、人間の手作業が関与してきます
から、その時点で間違いを犯すかも知れません。

しかも、ミスは一人の顧客だけのミスに収まらないで、顧客全員に広がる可能性もあります。同一商品を購入する人全てに波及するわけです。

多分、情報システムの管理においては、入力ミスをチェックするアクションを何重も
かけているのでしょうが、商品が消費者に手渡された段階以降は、チェック機能が働
いていないと考えられます。これが問題です。

今回の事例をもとに考えると、「消費者から指摘された価格ミスは担当部署に伝える」という作業が必要ですが、母の話によると、レジ担当者の様子を見た限り、その間違いはその場で完結してしまったようです。あるいは、防御手段の第二の手法として、消費モニターを市民に委託して、店舗の経営活動を監視し、外部から指摘される前に問題解決を図る方法があります。

以上の対策を講じていない場合、消費者から問題の所在を指摘され、大きな社会問題
に発展する可能性が生じます。何気なく経営していると、つい見過ごされがちな経営リスク、いま日本人全体に欠如しているリスク管理、各社ゆっくりと考えてみる必要があります。

起こりうるかもしれない危険は、いつか必ず、「起こりうる問題」なのです。