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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

IgA血管炎

2025年04月28日 | リウマチ膠原病

 4月27日(日)にバイトで日当直に来ていた先生から連絡が入った。IgA血管炎の20歳代半ばの女性を入院させたいという。腹痛・嘔吐で食事がとれないので、ということだった。

 ステロイドをどうしようかと思ったが、消化器症状がひどいようなので、とりあえずプレドニン30mgを入れてもらうことにした。教科書にある腸管が層構造をなして壁肥厚した写真が思い浮かんだ。

 

 4月22日から発熱38℃・鼻汁・咳の風邪症状があった。その前に子供に同様の症状が出ていたそうだ。24日に解熱したが、腹痛と嘔気・嘔吐が始まった。近くの医院を受診して、発熱で飲んた市販のロキソニンのせいではといわれたそうだ。

 その日の夜間から関節痛(両側の膝関節・足関節)もあった。さらに両下肢(大腿遠位から下腿にかけて)紫斑(点状出血)が出現した。26日には関節痛で歩行がひどくなっていた。

 そして27日当院の救急外来を受診したという経緯だった。白血球増加・CRP上昇もあった。

 

 今日病室に診に行くと、プレドニン投与の効果か紫斑は退色したように見えた(紫斑には効果がないことになっているらしいが)。腹部は平坦・軟で全体にごく軽度に圧痛があるという。嘔気は治まっているが、嘔吐が怖いの水分も控えていた。

 血清IgAを測定すると正常域に留まっていた。尿は生理中で評価が難しいが有意な尿蛋白はなかった。

 IgA血管炎の診断は、下肢有意の紫斑+腹痛 or 病理組織でのIgA沈着 or 関節痛・関節炎 or 腎障害になる。他疾患を除外すればIgA血管炎と診断できる。

 腹部CTで腸管を確認したが、ひどい壁肥厚はなかったが、正常よりは軽度に壁肥厚があるように見える。消化器症状に対してのプレドニン投与は量や調整が決まっていない。

 一番詳しそうな腎臓内科の若い先生と相談して、プレドニン30mgを数日継続してから漸減することになった。

 

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