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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

GPA

2025年05月23日 | リウマチ膠原病

 ナースステーションの隣のある病室で70歳代半ばの男性が騒いでいた。看護師さんはさほど気にしていないのは、ずっと続いているからだった。

 「助けて下さ~い」と繰り返すが、ご本人はベット上で膝を組んだ楽な姿勢でいた。表情は淡々としたもので、口癖のようになっているようだ。

 担当は内科の若い先生だった。最初どんな患者さんかわからなかったが、3月末に若い先生が話していたのを思い出した。

 

 昨年の11月末に脳梗塞を発症した。脳幹部の高梗塞で、延髄外側症候群(Wallenberg症候群)だった。地域の基幹病院脳神経内科に入院した。急性期治療の後に、当院のリハビリ病棟に転院になっていた。

 先方の病院に入院中に視力障害があり、眼科で虚血性視神経症としてステロイドパルス療法を行ったが、効果はなかったという記載があった。

 現任検索の中で、PR3-ANCA陽性という検査結果があったが、専門科に相談したが、視力障害の原因とは関係がないと判断されたともある。

 

 当院のリハビリ病棟に転院後に発熱を繰り返すようになった。担当した年配の先生が、抗菌薬やステロイド薬を投与していた。ステロイドを投与した時には解熱していたが、中止して再燃を繰り返していた。

 その先生が3月いっぱいで転勤になり、内科の若い先生が引き継ぐことになった。基幹病院の診療情報提供書を読み返したり、これまでの経過を検討していた。(その時に、こんな患者さんがいてという話を聞いて、リウマチ膠原病の範疇でしょうかといった覚えがある。)

 要するに不明熱の患者であり、これまで経過からは抗菌薬投与には反応せず、ステロイドに反応していた。改めて(感染症否定のため)血液培養を提出して、陰性を確認していた。

 PR3-ANCA陽性もわかっていたが、視力障害は眼動脈の血管炎と考えて、巨細胞性動脈炎疑いと判断したようだ。大学病院のリウマチ膠原病科に紹介転院とした。

 結局大学病院では多発血管炎性肉芽腫症(GPA)と診断されて、リツキシマブとステロイドで治療が開始されてた。症状軽快して、また当院に戻って来たところだった。GPAでも眼動脈の血管炎を起こすのだった。

 

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