なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

声門下喉頭炎

2022年04月21日 | Weblog

 昨日、バセドウ病と糖尿病で通院している51歳女性が受診した。体調不良?だと受診しないため、予約日の2~3回に1回くらいしか受診しない。それ以外は家族が薬だけ取りに来ていた。

 9年前から当院外科甲状腺外来に通院して、数か月後から糖尿病で内科にも通院するようになった。他院での通院から当院通院になったと言う経緯だった。翌年からは甲状腺の薬も内科でまとめて処方するようになった。

 当初はHbA1cが6~7%台だったが、翌年には9~10%台になった。その後は経口血糖降下薬を追加していったが、値は同じだった。(甲状腺機能は正常域だが、治療薬はメルカゾール15mg/日とほどんど初期量)

 インスリン注は拒否していた。インスリンではないということで、GLP-1受容体作動薬の注射は受け入れたが、血糖改善には至らなかった。100kg近い体重も変わらない。

 いろいろ言われるのはいやなのだろう。特に訴えもなく、血液検査の結果を聞くとすぐに診察室を出るという受診だった。

 

 昨日は予約日だったが、珍しく症状を訴えた。2週間前から喉が痛くて、37℃台の発熱も続いているそうだ。同じ時期から嗄声も続いている。精神医療センターを受診した時に、それを伝えたら抗菌薬が3日分処方されたが、症状は変わらない。

 嚥下痛があるが、口を開けてもらって観察してもまったく異常はなかった。頸部リンパ節腫脹はなく、頸部に圧痛はない。喉頭の問題と思われる。唾液も飲めないような状態ではなく、夜間は横臥できるらしい。

 肺炎ではないが、胸部X線と頸部X線をとってから耳鼻咽喉科に紹介することにした。胸部X線は異常がなく、頸部X線側面で喉頭蓋が正常より肥厚しているように見える。

 耳鼻咽喉科で喉頭鏡で検査すると、声門と声門下に浮腫状の腫脹があり、内腔が狭窄していた。喉頭蓋の腫脹はなかった。声門下喉頭炎と診断された。

 子供だといわゆる仮性クループになる。大抵はウイルス性だが、細菌性もある。症状の長さなど疑問点はあるが、とにかく声門周囲の腫脹・狭窄はある。

 耳鼻咽喉科医は高次医療機関に紹介することにした。悪化すると気管切開になるので、当院入院は避けたいという。

 最初に相談した病院はベットがなく、別の病院になった。内科診療についての診療情報提供書を記載して、いっしょに持たせた(血糖コントロール不良です、と記載するしかない)。

 

 耳鼻咽喉科に紹介する時は、新型コロナの抗原定性検査(6分で結果が出る)をしてから回した。紹介先の病院からは新型コロナのPCR検査をしてから紹介するようにといわれて、院内の迅速PCR検査(約1時間で結果が出る)をしてからの紹介になった。

 

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