なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

すうっと亡くなった

2012年11月21日 | Weblog

 内科医院から意識障害のある89歳女性を搬送したいと連絡が入った。そこの先生は当院外科医のお兄さんだ。早速来てもらったが、るいそう著明で呼吸も化学呼吸になっていた。低体温で除脈になっている。1か月前から食事摂取がうまくできなくなり、液体の栄養食をとっていたらしい。しだいに動けなくなり、3日前にその内科医院に入院していた。今時めずらしく入院施設がある医院だった。

 何か器質的な疾患はあるのかと、できる範囲で検査をした。頭部CTは陳旧性脳梗塞のみだった。腰曲がりがひどく仰臥位にはなれない。なんとか胸腹部CT(もちろん単純)を見ると、左肺炎があるにはあった。しかし全体的に表現するとしたら、肺炎の高齢者ではなく、老衰で人生が終わろうとしている高齢者が適切だと思う。家族に現在の状態を説明した。簡単に言うと、時間の問題ですということになる。救急室にそのままに置けないので、病棟へ上がった。入院の指示を出したり、必要な書類を作っていると、呼吸がさらに弱くなり、脈がとぎれた。いったん心静止になって、ちょっとだけ洞調律に戻ったが、その後また心静止となった。家族にベットサイドについてもらって、経過をみていた。心拍と呼吸が完全に止まったことをお話して、死亡を確認した。病院に来てから1時間だった。自分もこんな亡くなり方がいいなと思った。

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