なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

風邪でだるい?

2023年07月13日 | Weblog

 36歳男性が11日火曜日の新患外来を受診した。子供が風邪をひいて、その後に自分も少し咳が出るようになった。前日にだるさを感じて、その日は軽減したが心配で受診したという。

 身長178cm・体重94kgでBMIが29になる。20歳のころは120㎏あったそうだ。担当医が診察して、特に有意な所見はなかった。

 感染症として問題があるということではないが、肥満があることから糖尿病・高脂血症などが疑われて、血液検査を行われた。

 HbA1cが11.5%・随時血糖489mg/dlと糖尿病があった。尿糖4+だが、尿ケトン体は陰性。仕事もあり入院はできないので、外来で経過をみることになった。

 食事量を減らすことと、運動を指示されて、1か月後に再検となった。食事と運動だけで経過をみるようだ。

 尿糖排出で体重が減って来ていたのだろう。高血糖状態としての倦怠感が、感冒罹患でより強く感じられたということかもしれない。

 

 当方だと経口血糖降下薬1剤は処方していた。DPP4阻害薬かメトホルミンいずれか、あるいはDPP4阻害薬+メトホルミン初期量(500mg/日)を出すことが多い。最初からSGLT2阻害薬というのもあると思うが、ケトーシスを惹起・悪化させそうでためらわれる。

 若いので会社の健診でも簡単な項目のみになると思うが、尿糖陽性は指摘されていたのではないか。治療を始めるきっかけになったという点では、感冒罹患も悪くなかった。受療行動として、通常若い人が風邪で少しだるくても受診はしないので、糖尿病を心配していたのかもしれない。

 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
肥満も強いし (シロート)
2023-07-13 08:55:30
『血糖・体重両方低下必要』と添付して
いきなりリベルサスはどうですか?
最近、心・腎保護作用が(少?)ないDPP4阻害薬を使うのはためらわれています。
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GLP-1受容体作動薬 (so-wat)
2023-07-13 14:29:11
 初診で無治療の患者さんだと、受け入れやすい治療から入ることが多いです。
 GLP-1受容体作動薬の注射薬よりは、同薬の経口薬の方がまだ受け入れやすいかもしれませんが、朝食前30分の内服はハードルが高い気がします。
 「糖尿病標準診療マニュアル」に沿った治療をしているので、メトホルミン→DPP4阻害薬→SGLT2阻害薬と進めて、DPP4阻害薬からGLP-1受容体作動薬への変更が多いです。
 メトホルミン初期量やDPP4阻害薬は内服方法が普通で、ほとんど副作用がないので、初めての内服薬としては使いやすいです。
 やり方が古いのかもしれませんが(年代的は古い医者)。
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そもそも (シロート)
2023-07-13 21:37:18
SGLT2阻害薬の普及が遅れたのは、不要に危険をあおった糖尿病学会の責任が大きいですよね。素人が脱水をHtで評価したのがおかしくて、BUN・クレアチニンの乖離でみる我々消化器科医とかだとバカかと思っていました。糖尿病医は利尿剤にも慣れてなかったのも大きいかもですね。私も60歳代です。
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さらに (シロート)
2023-07-13 21:47:17
糖尿病学会はSGLT2阻害薬の浸透圧利尿の作用を理解してなかったのでは。
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