なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

内科医が増えました

2024年05月06日 | 内分泌疾患

 今年は新任の先生が増えて、それぞれ専門分野をもっている。しかし当院としては専門分野は標榜しないで、内科としてまとめている。専門医が診るのが好ましい患者さんを回したり、相談できるのでとても助かる。

 整形外科で手術中の患者さんが急変した時は、循環器科が専門の先生が呼ばれて、適切な対応で主治医に感謝されていた。

 

 内分泌が専門の先生には、亜急性甲状腺炎の患者さんを相談することができた。その時、FT3/FT4比について教えてもらった。FT3/FT4比が2.5以上でバセドウ病の確率が高い

 確かに亜急性甲状腺炎の患者さんではFT4の上昇が目立っていて、バセドウ病とは違っていた。別の日に、バセドウ病の患者さんの甲状腺機能を見せてくれて、ほらFT3が目立って高いでしょうといわれた。

 

 その先生が担当している88歳女性は著しい低ナトリウム血症だった。4月9日に食べられない・動けないとして内科外来を受診していた。発語はあるが、意識低下もあった。

 血清ナトリウムが100で、このような値は始めて見る。その先生も、当院では精査・治療困難と判断して、大学病院に搬送していた。

 大学病院到着時は血清ナトリウムが93で、翌日も98だった。そこから1日ごとに109→110→114→119→124→127→133と順調に改善している。

 内分泌代謝に異常は認めず、通院している内科医院処方の降圧利尿薬(ヒドロクロロチアジド12.5mg、ARBテルミサルタン40mgとの合剤)に影響とされた。低下から食欲低下に陥ってさらに悪化したのだろう。(この前当方が担当したループ利尿薬で低カリウム血症1.4になった患者さんも同じ医院に通院していた)

 4月23日に当院にリハビリ目的で転院してきた時は、血清ナトリウム141で正常域だった。大学病院の診療情報提供書には治療により軽快という簡単な記載のみで、具体的な治療は記載されていなかった(残念)。

 普通に高張食塩水の点滴静注だったとは思う。高張食塩水(3%NaCl)は、10%NaCl30mL+5%グルコース70mL、または生理食塩水500mLから100mLを抜いて10%NaClを120ml(20mLを6A)加える。浸透圧性脱髄症候群を避けるために24時間で10mEq/L未満、48時間では18mEq/L未満のNa濃度の補正に留める。

 高張食塩水の輸液スピードや、食べられない時のそれ以外の輸液(高張食塩水は基本側管からなのでメインの方)についての記載はないが、ケースバイケースなのだろう。

 

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