月曜日に70歳代後半の男性が呼吸困難で救急搬入された。一人暮らしで自宅で倒れているところを訪問した人が発見した救急要請した。身寄りがなく、市役所の係りの方が来ていた。3年前に大腿骨頸部骨折で入院した時に胸部X線・CT検査が行われていて、間質性肺炎像を認めたが、それ自体は慢性の変化として特に治療は開始されなかった。もっとも自分の思った通りにしかしない方で、フォローも困難だろう。今回は間質性変化として悪化したかどうか判断が難しいが、黄色の喀痰を多量に排出していた。また心房細動があり、BNPが600と上昇していた(前回入院時は100)。軽度の胸水もあった。細菌性肺炎の症状として抗菌薬を投与して、心房細動・心不全の治療も加えた。入院後は解熱して、炎症反応が改善した。ただ点滴を自分で抜いてしまい、酸素吸入もいやがってはずしてしまう。食事摂取はできるので、抗菌薬を内服にするしかなかった。
昨夜は井上陽水のコンサートを観に行くので、1時間早く帰った。昨年の谷村新司コンサートもそうだが、観るのは初めてで多分最後になるのだろう。確かに、あの声だった。ロック調からバラードまで音楽の幅が広い人だ。2枚目のカバーアルバムの収録曲もあったが、耳慣れた定番の曲の方がありがたい。ブラタモリのオープニングテーマとエンディングテーマの演奏もあってよかった。
帰宅して、NHKのドクターGを見る。水戸協同病院(筑波大学)の矢野晴美先生なので、最初から感染症の何かになると想像がつき、レプトスピラ症だった。旅行会社勤務で1か月前にタイに行っていたというのが、目くらましか。義母の家の軒下にあったねずみの糞がある洗面器・ホースの水に触れたり、手指に傷があったことなどが示されて、結膜充血と黄疸があり、途中からはわかりやすくなった。役者さんの目の所見は当然合成なのだろう。問診で詳しい生活歴までとることが診断に結びついていた。普段の診療でなかなかそのまでは訊きてないと思った。レプトスピラ症でJarisch-Herxheimer(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー)反応があるのは知らなかった。