なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性心筋梗塞でした

2013年01月31日 | Weblog

 糖尿病・高血圧症で内科クリニックに通院している57歳男性が受診した。食欲もなくて具合が悪い、胸が苦しいような気もするという。両側下腿に浮腫を認めた。糖尿病の血糖コントロールはHA1cが8%台であまり良くない。

 先週は咳と微熱があって、かかりつけのクリニックを受診した。PL顆粒・アストミン・カロナールが処方された。内服すると発疹が出た。実は以前にも同じ処方で発疹が出ている。3日前に当院の皮膚科を受診して、薬疹と診断された。同じ処方で発疹が出ているので間違いはない。そのころから、食欲不振・倦怠感・胸苦しい感じが続いていた。

 心電図をとると、Ⅱ・Ⅲ・aVFでST上昇があり、胸部誘導では鏡面像としてのST低下があった。BNPが600と上昇していた。血圧は90-110mmHgで体位により変動する。胸部CTで左右の冠動脈に石灰化があって、下壁梗塞なので右冠動脈病変だが、コントロールの悪い糖尿病歴が長いので3枝病変のようだ。左肺上葉に浸潤影が軽度にあってただの感冒ではなくて肺炎を併発していた。元々の血清クレアチニンは0.8くらいだが、今日は1.6だった。食欲不振で水分もあまりとってないので腎前性の腎不全なのだろう。

 当院の循環器科は今日1名しかいないので、基幹病院の循環器科(専門医5名)に送ることになり、救急車で搬送した。循環器科医の話では、とりあえず責任病変のPCIを行って、3枝病変であればバイパス手術になるかもしれないという。

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