今日の内科新患外来は比較的受診数が少なかった。お昼に外来の看護師さんからインフルエンザの予防接種を受けるように言われた。予防注射は中央処置室でまとめて行っているが、すでに内科外来で注射器に詰めて待ち構えていた。2名の内科系医師が休んでいて、これ以上医師の病欠が増えたら外来が回らなくなるということのようだ。
医局に戻ったところで、受付は終了したが、46歳女性が複数の愁訴で受診してきたと連絡があった。一昨日の日曜日に救急外来を受診したが、特に検査で異常がなく、帰宅となっているという。さっそく外来に戻った。倦怠感や頭重感があり、死にたくなるという。食欲はそれなりにあって、朝食も食べている。精神科病院に2か月入院して先月退院したそうだ。今は外来通院中だが、数日前から処方薬を飲まなくなっていた(抗うつ薬・睡眠薬など)。
左手の手首から肘にかけて、リストカットの痕があった。リストというより、前腕に1~2cmの間隔で切り傷が並んでいて、これではアームカットというべきかなどと余計なことを思ってしまった。、入院前から仕事は休みがちになっていて、入院後は休職している。仕事の内容を聞くと、きちんとした職場に勤めていた。息子さんが連れてきていたが、夫はどうしているのだろう。離婚したのではないかと思ったが、今日はそこまで聞かなかった。
精神科医師は自分を見下しているようで気に入らないという。そうは言っても、なかなか入院できないところを、自殺の危険ありとして救急措置で入院させてくれた病院であって、気に入らないと言われても困る。日曜日の検査結果を確認したが、確かに異常はない。内科で診る病気はないようだ。うつ病ではなく、神経症がこじれたもののように思われる。そうなると精神科で診ても、すっきり軽快することはないのかもしれない。内科で診ても良くなることはないので、かかりつけの精神科病院の午後の外来を受診してもらうことにした。最初受診を渋っていたが、気に入らなくても精神科に行かないと改善は見込めず、今は適切な判断ができない状態なので、専門医に任せるのが良いとお話ししたら、なんとか受診する気になった。対応に困っている息子さんが気の毒だった。