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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

総胆管結石、急性胆管炎

2023年09月09日 | 消化器疾患

 木曜日は当直だった。午後の救急当番は大学病院の外科医だったので、午後5時前に入った救急搬入依頼が当直医に来た。

 救急室に行くと、午後の内科外来を診ていた先生が地域の基幹病院消化器内科に患者さんを搬送するところだった。心窩部痛で受診した70歳男性で総胆管結石があった。

 その日の午前中から心窩部痛があったが、仕事をしていた。午後2時に当院を受診した。心窩部に軽度の圧痛があり、急性胃炎としてブスコパンを処方して帰宅としていた。

 腹痛がひどくなって午後4時過ぎに再度受診した。血液検査で白血球13900・CRP0.6と急性期の炎症反応があり、AST 253・ALT 113・ALP 253・総ビリルビン2.1と肝機能障害を認めた。血清アミラーゼも1361と上昇している。

 腹部CTで胆嚢内に胆砂があり、総胆管内に複数の結石があった。総胆管結石による胆管炎・膵炎だった。

 昨日の夕方に基幹病院から、「新型コロナウイルス感染症の入院患者およびその他の入院患者が増大して、入院を制限する」とFAXが入っていた。「緊急性が高く、当院でなければ対応困難な重篤な患者は可能な限り対応する」とあった。この患者さんは引き受けてもらえてよかった。

 当院も病棟に入れられる患者さんが限られてしまい、その都度何人入院できるか報告されることになった。

 

 午後5時過ぎに救急搬入されてきたのは、自宅で倒れているところを発見された95歳女性だった。一人暮らしをしていて、訪ねてきた知人が発見して救急要請していた。

 

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急性虫垂炎

2023年09月06日 | 消化器疾患

 9月5日火曜日の午前中は発熱外来を診ていた。発熱外来の受付に37歳男性が入っていた。

 コロナ疑いではなく、腹痛・嘔吐・下痢で内科外来を受診しようとしたが、体温が37.7℃だったので発熱外来を通してから、外来に案内することになった。呼吸器症状はない。

 前日から腹痛・嘔気があり、内科医院を受診して、熱中症といわれたそうだ。当院受診時、腹痛は右下腹部に限局して、歩行で響いた。下痢は2回だけで腸炎といえるほどではない。

 コロナ・インフルエンザの迅速試験は陰性で、予定通り内科外来に回した。

 

 救急搬入が4件5名の救急搬入があって忙しかった。5名になっているのはスズメバチに刺された夫婦が一緒に搬入されたため。

 腹痛の男性がどうなったかと確認すると、腹部CT・血液検査が行われて、急性虫垂炎疑いとして地域の基幹病院外科に紹介となっていた。

 腹部CTで見ると、虫垂の軽度腫脹があり、周囲の脂肪織に炎症像があった。腹水はなかった。血液検査で白血球17300・CRP3.8と炎症反応が上昇している。

 

 救急搬入された患者さんたちは、4件とも重症ではなく、午後まで外来で治療して4組は帰宅となった。めまいの高齢女性は入院になった。以前にもめまいで入院歴がある、ちょっと心気症傾向のある方だった。

 

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膵頭部癌

2023年08月23日 | 消化器疾患

 8月8日に膵頭部癌の75歳女性が消化器科に入院した。地域の基幹病院緩和ケア科からの転院だった。

 糖尿病で治療していた。血糖コントロールの増悪があり、そこで精査して膵頭部癌が発覚した。閉塞性黄疸に対して胆道ステントが挿入された。

 本来ならば癌化学療法が行われるが、副作用を危惧して希望しなかったというか、拒否したそうだ。緩和ケア科の入院は、癌性疼痛の治療調整を行うだけで、短期間で退院になる。(そもそも癌性疼痛に対する処方もされていなかったが)

 食事もとれるので、自宅退院して病状悪化時に再入院となるところが、脳血管障害の既往がある息子さんが希望されないようだ。患者さんの性格的な問題もあるのだろう。そこで当院に転院の依頼がきた。

 

 患者さんは当院に長年看護師として勤務して定年退職となった方だった。当方が当院に赴任して数年後に退職されたので、面識はある。

 ただ今回の入院でも面会は親族も含めて制限しているそうだ。まだ現役の時にいっしょだった看護スタッフも少数残っているが、面会はどうしたものかと迷っている。

 転院してきてから、当院でもCTを行っているが、膵頭部癌は増大して、肝転移も目立つようになってきた。

 CA19-9は胆汁うっ滞の影響もあり、>12000.0と著明に上昇している。

 

 

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上行結腸憩室炎

2012年01月24日 | 消化器疾患

 79歳男性。昨日昼から右下腹部痛が続き、本日内科外来を受診した。高血圧症・高脂血症で循環器科外来通院中。腹痛部位は最初から同じ部位で、程度は昨日と同程度。右下腹部に圧痛とpercussion tendernessあり。筋性防御はなし。
 白血球数17400、CRP9.6と炎症反応上昇。急性虫垂炎か上行結腸憩室炎を疑った。腹部造影CTで虫垂は正常で、上行結腸の回盲部に憩室の炎症像を認めた。入院して、抗生剤投与で保存的に治療を開始した。抗生剤はスルペラゾンを1日3回点滴静注とした。

 92歳男性。進行胃癌で転移を認め、無治療で経過を見ることになっていた。昨年末に両下肢の浮腫で入院した。そのまま最期まで入院かと思われたが、利尿剤投与で浮腫が改善して、それなりに食べられた。いったん退院としたが、ひとり暮らしのため、病院から施設へショートステイで入所していた。食事摂取できなくなり、予約日前に外来を受した。当然再入院となる。今度は退院できないようだ。
 
 昨日入院した85歳男性は、慢性閉塞性肺疾患で在宅酸素療法を受けている。A型インフルエンザと左下肺野に肺炎(肺炎球菌肺炎)を発症して急性増悪したもの。昨晩喘鳴がひどくなり、指示のステロイド点滴静注を要した。

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