散歩者goo 

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カーネーションを仕事の目で見ると2倍楽める

2011年11月14日 22時25分41秒 | ネットSNSマスメディア・情報マスコミ
10月29日のブログにも、一部同じ事を書いたが、今まで朝ドラは見なかったが、今回の「カーネーション」は、岸和田や大阪が舞台なので、少し興味があって見始めて今に至っている。

途中から見だしたが、実話を基にしたドラマだけあって、時代背景も作りこまれていて、だんじりの引き回しのシーンもニュースになっただけあって迫力もあった。

ストーリーの展開もテンポよく、商店の経営の仕方や営業や集金のこと等、私も画廊経営失敗後は、営業をしたり、自営業もしたおかげで、ストーリーにまつわる仕事の話も身につまされるところもある。

倒産しかけの時代遅れの呉服店と、母方の実家の芦屋の資産家の家との対比や、住む世界の違いも描かれていて話に変化を与えている。

ラジオの導入初期の状況や、庶民の洋服への対応といった時代の流れや、当時の心斎橋と岸和田の地域的違いもよくわかった。
当時は、百貨店ですら制服が和装だったのも驚いたが、それを洋服に切り替える為に、スポコンドラマのような試行錯誤をした営業の話も面白かった。

主人公が時折つぶやく、独り言のせりふも面白い。
大阪が舞台のドラマをすると、中に必ず変な関西弁を使う人がいるが、今回はそれがないのも安心して観ていられる。

やはり前回も書いたが、このドラマを見るときは、私の場合、産業史や風俗史や営業の仕方、会社の規模による変化、会社が発展する要因、そして危機の時の対応や人間関係、といったことも関心を持ってドラマを楽しんでいる。
そのようなビジネス的観点を頭の片隅に置きながらドラマを観ると、ドラマが2倍楽しめそうな気がする。
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従軍記「太平洋戦争」を読んで

2011年11月14日 17時07分49秒 | エッセイ &余談 ・短感・片言雑事
相葉利夫氏の「太平洋戦争」―中国およびブーゲンビル島 従軍記―を読んだ。
約40ページほどの従軍記だ。
相葉さんが、昭和16年2月入隊から昭和21年2月28日帰国までのことが綴られている。
ご本人は、戦後にお亡くなりになっているとの事だ。

この戦記は、同人誌「豊中文学」31号 2010年3月豊中文学の会が発行した文集の末尾に掲載されている。
私は、この本を同人誌「豊中文学」編集委員の一人であり、現代美術作家でもある、久保田益弘氏からいただいた。
この本をいただいた時に、久保田氏が、友人の祖父相葉氏のこの原稿を預かったいきさつを話してくださった。

その後、私はこの従軍記を少し読んで、他の事に気を向けている間に、続きを読むのを忘れていた。
8月前に、盛んになる原爆や戦争関連の番組を見てこの本を思い出し、最近になって一気に読んだ。

中国戦線の詳細についても興味あったが、この従軍記では余り詳細には書かれていなかった。
うちの父も中国戦線に2度従軍したらしい。
何かの時に話を聞いた覚えはあるが、ほとんど断片的なことしか覚えていない。
馬賊に襲われたり、戦友たちが金持ちの家を物色したりしたというような話もしていた。
父は、結局マラリアに罹り国内に送還されたという。
今になって思えば、生きている間にいろいろ聞き出せばよかったと思っている。

相葉氏の従軍記では、上海から南方転戦そしてブーゲンビル島での戦闘については、詳細に記述されている。
ブーゲンビル島まではパラオ島経由でトラック島に行く。
そこからブーゲンビル島へ行く途中で潜水艦の魚雷攻撃を受けて海へ脱出した。
その翌日の午後救助されたが、その間に一緒に漂流した兵が死んだ事などが、淡々と語られている。
救助された後、トラック島からラバウル経由でブーゲンビル島に上陸する。

その後の、ブーゲンビル島での詳細な戦闘状況が語られるが、飢えに苦しみ戦場を逃げ回る。
地獄である。
戦場の様子を想像すると、涙が出た。
詳細は図書館に、もし「豊中文学」31号があれば、読むと南方戦線の厳しい実態の一端を知ることが出来る。

この従軍記を読んで、先人達(民間人や将兵そして現地の罪のない人達も含む)の尊い血と涙の犠牲の上に、今の日本の繁栄があることに感謝しなければと思う。
そのことを思うと同時に、改めて軍事独裁体制を作り上げ、民衆を騙し、産軍複合体と一緒に戦争指導し、自分たちの自己保身や利益を追求した、旧日本軍幹部や戦犯たちに強い憤りを感じる。


「豊中文学」印刷所 株)きたがわぷりんと 豊中市岡町  06-6841-2021  「豊中文学」31号 800円
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