虫たち 付録 キショウブ 2010-05-16 06:52:22 | 近所 いつまでも低温の日が続くが、虫たちは待っていられなくて活動している。 オオアカマルノミハムシは幼虫がセンニンソウを食草とするハムシらしい。 イタドリの葉の上にいたのはカツオゾウムシ。 こちらは成虫がイタドリの葉を食べる。 粉をふいたような色がカツオブシを連想させる。 これも葉っぱの上にいたがハムシでもゾウムシでもなくホタルの仲間ヒシベニボタルのように思う。 ホタルといっても光らない。 虫ばかりではどうかと思い、こちらは新宿御苑のキショウブ。 高いビルが林立する東京・新宿とは思えない風景だ。
海岸近くにはこんな木も 2010-05-15 06:45:19 | 近所 トベラ(トベラ科) 猿島では大きい木としてはタブノキやカラスザンショウがあり、 低木ではマサキやトベラがたくさん見られた。 トベラも海岸の近くに多い植物で枝の先に常緑の葉がつく姿に特徴がある。 トベラは雌雄異株で、この花は雌花だ。 カジイチゴ(バラ科) 花がほぼ終わって実をつけ始めているカジイチゴも海岸などに生育するキイチゴの仲間だ。 6月に行くころには味わえるだろうか。 ヤナギイチゴ(イラクサ科) 同じイチゴでもヤナギイチゴはキイチゴの仲間ではない。 ラセイタソウやカラムシなどと同じイラクサ科だが属の違う灌木だ。 この実が食べられるのかどうか、これも6月に確かめてみたい。 マルバウツギ(ユキンシタ科) 1本だけ咲いていたマルバウツギは海岸ではないが三浦半島で多く実抱える。
キケマンは海の近くに 2010-05-14 06:33:23 | 近所 ツルナ(ツルナ科) ラセイタソウの傍で柔らかそうな葉っぱに小さな黄色い花が咲いていた。 砂浜に生息するツルナという多年草で、上のほうの若い葉は食べられる。 キケマン(ケシ科) 砂浜の護岸にはキケマンが咲いていた。 下の葉っぱはラセイタソウで上のほうに咲いているのはトベラの花だ。 キケマンの花はミヤマキケマンとよく似ているが、葉っぱはかなり違う印象だ。 このキケマン、よく見ると石垣の間から大きな株になっている「ど根性組」だ。 これを見てキケマンは多年草だと気づく。 別の場所のキケマンの向こうでは仲間が何かを発見して観察中。 カラクサナズナ(アブラナ科) そこに繁茂していたこの草、小さな花が咲きそうになっていた。 すぐには何か分からなかったが、2,3日調べてカラクサナズナというのに行き当った。 今度行ったときに花を確かめてみたい。
猿島 2010-05-13 06:01:46 | 近所 観察会の下見で猿島へ行ってきた。 幕末、明治、昭和と3期に砲台が置かれ東京湾の要塞であった。 島外から見えないところに兵舎や弾薬庫などが築かれている。 無人島になった今は観光の島として横須賀から船が出ている。 フウトウカズラ(コショウ科) フウトウカズラなど海岸性の植物がいろいろ見られるので、6月に観察会をすることになっている。 フウトウカズラは雄花が咲き始めていた。 ラセイタソウ(イラクサ科)羅背板草 ほかにもラセイタソウ、アシタバ、ハナウド、ハマボッスなどの野草があったが花期はまだだった。 16世紀にポルトガルの貿易船からもたらされた毛織物・ラシャ(羅紗)は高級品で会ったが、 江戸中期にはラセイタ(羅背板)というラシャより薄い布地が輸入され普及した。 縮緬状の葉が羅背板の粗い手触りに似ているとされたのだろう。 海岸へ出てみる。 猿島は(三浦半島付近は)海底で土砂の堆積による地層が隆起してできているらしい。 浸食されて露わになったところから、それがうかがえる。 岩礁の先で何かをついばんでいる鳥たちが10羽以上いた。 茶色と白に黒でチドリ科の鳥のようだが、すぐには名前も分からなかった。 望遠レンズを持っていなかったので後で拡大してみた。 キョウジョシギという旅鳥で春と秋の渡りで飛来するという。 京女鷸と呼ぶ由来は「まだらもようを京都の女性の着物にたとえた」とか。 京都に住んでいるときキョウジョといえば学校の略称だった。
ナデシコ科の花たち 2010-05-12 06:51:32 | 近所 コハコベ この前ムラサキ科の花をいくつかまとめたので、今回は身近で見たナデシコ科の花を列挙してみる。 ナデシコ科の野草はどういうわけか花が白いが、近所でもっとも多いのはハコベ特にコハコベだ。 ミドリハコベを見かけることが少なくなった。どちらも雌しべの柱頭は3裂している。 ウシハコベは柱頭が5裂していることで見分けられる。 ノミノフスマ ハコベに似ているが茎が立ち小さな葉っぱっもすっきりしているのはノミノフスマ。 蚤の衾・・・小さな葉っぱをノミの掛け布団に見立てたらしい。 ノミノフスマもハコベ属の仲間で花の姿はそっくりだ。 ノミノツヅリ ノミノツヅリも多く見かける。 蚤の綴り・・・ノミノフスマよりも小さな葉っぱを粗末な着物と見たのだろう。 花の直径は5mmぐらいと小さい。 ノミノフスマと違ってこちらはハコベの仲間ではなく、花弁も深く切れ込んでいない。 ツメクサ ツメクサの花もノミノツヅリに似ているが、さらに小さくて3mmもないぐらいだ。 細い葉を鳥の爪に見たのかもしれないが、小型ゆえコンクリートのちょっとしたすきまで生き続ける。 オランダミミナグサ 野原にも道端にもコハコベと同じぐらい多いのはオランダミミナグサ。 ハコベほど深くはないが花弁の先端が切れ込んでいる。 ハコベともノミノツヅリともツメクサとも違うミミナグサ属の帰化植物だ。 ミミナグサ 在来種のミミナグサはオランダミミナグサに押されて数は少ない。 花柄が長いので花序がすっきりしている。
薬師池公園で 2010-05-11 07:10:41 | 近所 町田に薬師池公園というのがある。大賀ハスが咲くことでも有名だ。 入口から菖蒲田へ降りる斜面にいくつものムサシアブミがかたまって咲いていて驚いた。 ササバギンラン(ラン科) 同じ斜面にはキンランもたくさん咲いているのに加えて、白く小さな花もいくつか見られた。 瞬間的にギンランかと思ったが、 葉が細長くて花の下の苞葉が上まで伸びているのでササバギンランのようだ。 近所でも毎年キンラン、ギンランが咲くがササバギンランを見たのは初めてだ。 イチハツ(アヤメ科) 菖蒲田はまだ花には早かったが、奥の野草園にイチハツが咲いていた。 白いモジャモジャした突起があるのが特徴だ。
ムラサキ科の花たち 2010-05-10 06:09:33 | 近所 ホタルカズラ(ムラサキ科) 5月1日「青い花」で見たホタルカズラは青紫色だったが、ようやく青い花に出会った。 今日はムラサキ科の花をいくつかまとめてみよう。 ムラサキ(ムラサキ科) 科の名前になっているムラサキはこれから咲くはずで、これは昨年の写真。 ワスレナグサ(ムラサキ科) 歌などでポピュラーなのはワスレナグサ。勿忘草、忘れな草などと表わされる。 ヤマルリソウ(ムラサキ科) 少し前に花の終わったヤマルリソウも仲間で、どれも似たような形だが、 花の直径はホタルカズラが1cm以上、ムラサキは1cm弱、ワスレナグサにヤマルリソウは5~6mm。 キュウリグサ(ムラサキ科) ところで身近な所にもムラサキ科の花たちがいる。 野原や道端でいま旺盛なのがキュウリグサ。 ハナイバナ(ムラサキ科) そしてキュウリグサと混在していることもあるハナイバナ。 どちらも3mmぐらいの小さな花だ 花のつき方の違いのほかに、キュウリグサの花の芯が黄色いのに対しハナイバナは花弁と同色だ。 ところでヤマルリソウの果実は4つの分果だとは前に知っていた。 今回キュウリグサの果実を見るとやっぱり4つの分果だったが、形は少し違う。
調布市野草園で 2010-05-09 06:17:20 | 近所 クマシデ(カバノキ科) 先日、行った調布市野草園にクマシデの木があった。 雌花から果穂に変化しているところだろうか。 苞に包まれて中がよく観察できないので分からないが、それより葉脈や鋸歯がしっかりした若葉が魅力的だ。 昨年の実も少し残っていた。 野草園だから当然いろんな種類の草花も咲いていた。 もともと自生しているものではないけれど、それなりに楽しめる。 オドリコソウ(シソ科) オドリコソウは近所のどこでも見かけるヒメオドリコソウとは比べものにならない大きさだ。 しかし色のほうは大変控え目で白にうっすらとピンクが入るだけだ。 名前の由来が笠をかぶった踊り子に見えるというので、その姿を思い浮かべてみる。 コバノタツナミソウ(シソ科) 近所ではあまり見ないコバノタツナミソウ。というか見たのは初めてかもしれない。 葉が小さいばかりでなく花も小さくまとまっている感じがする。 アマドコロの茎に止まっているのはヒゲナガクロハバチだろうか。 幼虫はアマドコロやナルコユリを食草とするらしい。
イヌザクラとエノキ 2010-05-08 06:27:53 | 近所 近所の地区センターから海軍道路に向かう途中にある雑木林の端に、 大きなイヌザクラの木があって花期を迎えている。 イヌザクラ(バラ科) イヌザクラはサクラの仲間だけれど花の咲き方がかなり違う。 市民の森にも一株あって、こちらは低い枝に咲くので花をアップで見ることができる。 穂状についた花の一つ一つもサクラとは趣を異にする。 小さな花弁が早めに落ちることもあってシベが目立つ。 イヌザクラは花穂のあたりに葉が見られない。 ウワミズザクラ(バラ科) 花の盛りが終わってしまったウワミズザクラもイヌザクラに似ているが、 花穂の下に葉がついているところが区別点の一つだ。 市民の森でキンランやイヌザクラを見たあと、帰ろうとしたら友人たちにあった。 アカボシゴマダラの幼虫がいるらしいよと言うので一緒に見に行った。 このエノキの幼木の一番上の葉のところと右側一番下に見えるのがそうだ。 これは遠くから見ると葉のようにしか見えない。 幼虫のそばに葉がクルクルと丸められたものも見える。 ヒメゴマダラオトシブミあたりのしわざであろうか。 エノキの柔らかい葉はゴマダラチョウやアカボシゴマダラの食草になるばかりでなく、 ヒメゴマダラオトシブミの卵から幼虫時代を過ごす揺籃にもなる。 エノキは何故かゴマダラに縁があるみたいだ。
ギンランなど 2010-05-07 06:13:56 | 近所 ギンラン(ラン科) 同じ林の中に咲いていてもキンランに比べると ギンランは背が低く花も小さて白いから目立たない。 あまり開かないので花の中を覗くのも難しい。 蕾のときは一層ひっそりとしていてランとは思えないほどだ。 エビネ(ラン科) ジエビネ この林ではエビネもたくさん咲いていたらしいが近年は少なくなっている。 園芸的にも人気があるので持っていかれるのかもしれない。 ギンランに比べると大きいし花の姿もしっかりとしている。 近くにハンショウヅル(キンポウゲ科)が蕾を持っていた。 もう少ししたら見に行こう。
ヒメ~たち 2010-05-06 06:18:19 | 近所 ヒメコウゾ(クワ科) 家の近所の林の縁などに枝を延ばしたところに、まるで実のような花が咲いている。 これはヒメコウゾの雄花が集まった花序。 そしてこちらのピンク色のが雌花序だ。 クワの実に似た実ができるが、おいしいのは断然クワの実のほうだ。 ヒメウツギ(ウツギ科) この連休中にようやく5月らしい気温になって、ヒメウツギが咲くのを見た。 これからウツギ、マルバウツギにサラサウツギなどウツギの仲間たちの季節だ。 名前に ヒメ~ とつく 草木は100種類ぐらいもありそうだが、 ヒメオドリコソウ、ヒメウズはすでに咲き、ヒメジョオンやヒメヒオウギスイセンなどはこれからだ。
ヨコヅナサシガメ 2010-05-05 06:30:59 | 近所 2000th タイリントキソウ(ラン科) 調布野草園に鉢植えで置いてあったもので、もちろんこのあたりの野生ではない。 (この後の画像はヨコヅナサシガメが羽化する様子を撮影したものです。苦手な方はパスしてください) 市民の森の木のうろにヨコヅナサシガメの幼虫がいた。 右上に見えるぼやっとした黒いものは脱皮した後の抜け殻のようだ。 その木の上のほうを見上げると赤いものが見えた。 誰かが「脱皮しているんじゃないの?」というので、みんなで注目した。 11:34 どうやら黒い脚などが幼虫時代の部分。そこから赤い頭が出始めているらしい。 11:37 横から見てもまだ顔の細かいところは分からない。 11:42 脚が2本出てきた。 11:43 すぐに4本に。 11:48 とうとう6本の脚が出てきた。 11:50 まだ内側にまがった顔に黒い目が見える。 11:54 顔が前面に出てきた。 11:58 あと少しで完全に脱皮が完了し、この後どんな行動をとるのか見届けたいところだが 所用があって帰らなければいけない時間になってしまった。 またの機会があればと思う。 羽化したばかりは真っ赤だが、成虫になると赤い色は全くなくなる。
深大寺と神代植物公園 2010-05-04 06:00:23 | 近所 NHKのドラマ「ゲゲゲの女房」が放送中で、調布の街はちょっとしたブーム。 先日は主人公夫婦が深大寺を訪ねる場面も放送されて、 駅前のバス乗り場は増発しても行列が途切れないほどだ。 普通の路線バスでなく。鬼太郎たちのイラストを描いた調布市ミニバスに乗ることにした。 混雑を避ける意味もあるが調布市野草園に立ち寄ってから深大寺に行ったからだ。 深大寺の山門前のあたりも人がいっぱいで、名物の蕎麦を食べるのも並んで待たなければいけない。 深大寺は水神・深沙大王をまつり、その名前は深沙大王寺が縮まったものだそうだ。 深大寺の隣の神代植物公園でも大勢の人たちが連休を楽しんでいた。 ちょうど藤の花が見頃で何種類もの木が見事な姿に整えられていた。 藤棚を通って行くと大きな温室があり、その横には・・・ ぼたん・しゃくやく園があり、今は大輪の牡丹が華やかだった。 色や模様はさまざまだが、この赤が鮮烈だった。 池の向こうのつつじ園。 だりあ園、しゃくなげ園、ばら園、はぎ園、さくら園、マグノリア園、はなみずき園、はなもも園、うめ園、さるすべり・ざくろ園、 つばき・さざんか園、かえで園に加え山野草園、一年草園、宿根草園、えびね園などがあり、どの季節も楽しめそうだ。
アマドコロとキンラン 2010-05-03 06:41:06 | 近所 アマドコロ(ユリ科) 市民の森には既にホウチャクソウがたくさん咲いているが、 ポツポツとアマドコロが見られるようになった。 ホウチャクソウと違って、いくつもの花が列をなして咲くのが面白い。 キンラン(ラン科) ほかにはフデリンドウ、キランソウ、ヒトリシズカなど地面近くで咲いているのが多いが、 キンランはすっと立った茎の先に黄色い花をいくつもつけてよく目立つ。 昨年はギンランとともに花の構造にも注目していた。 昨年の キンランギンラン 小さなキリギリスが遊びに来ていた。 ヤブキリの幼虫あたりだろうか。
一人静と・・・ 2010-05-02 06:44:50 | 近所 雑木林の中で四枚の葉の上の白い花がいくつも見られるようになった。 ヒトリシズカ(センリョウ科) 一人静とは風雅な名前だが、単独でヒッソリと咲いているわけでもない。 小さな花が寄り集まっているのだ。 草だけれどセンリョウの仲間で、 花弁も萼もなく雌しべ1本に雄しべ3本からなる小花が穂状花序を作っている。 黄色い葯が花糸の下についているのも面白い。 ノヂシャ(オミナエシ科) 林を出た日当たりのよい畦などには小さな花がたくさん固まって咲いている。 ナズナやオオイヌノフグリほどではないが、ノヂシャもずいぶん増えたように思う。