横浜のほほん

横浜のはずれで、のほほんと暮らす男の見聞、考察、感想をつれづれに記す

ヘゴとビカクシダ

2006-03-05 16:44:24 | 近所

こどもの国の温室で見た、この大きな木は木性のシダでヘゴ(ヘゴ科)という。
今は上のほうで枯れているが、大変大きな葉が大きな葉痕を残す。
葉痕に残る維管束の形が漢字の八の字を逆にしたように見えるので
小笠原ではマルハチと呼ばれるようだ。
このような葉痕のないヘゴもあるらしいが詳しくは知らない。


葉痕の白っぽい断面のところだけに目が行っていたが、
あらためて写真を見ると葉痕の下側にも模様がある。
観察不足で写真が十分じゃなかった。
この幹のまわりには気根があり、そこにほかの植物がつく。


このヘゴの木についたのはビカクシダ(ウラボシ科)麋角羊歯、別名コウモリラン。
麋角の麋とは中国の空想上のオオシカのことで、葉の形からビカクシダと呼ばれる。
英名Platyceriumも広い角という意味らしい。
ところでビカクシダには、この大きな胞子葉のほかにも葉がある。

それはヘゴの幹に重なって張り付いている保水葉(貯水葉、巣葉)だ。
初め緑色で次第に枯れて褐色に変わり、そこに水分や落葉を貯めて栄養分を吸収する。
胞子葉のほうは光合成と胞子生産を行う。
追記:これは寄生ではなく着生と言うらしい。
   ヘゴから養分を吸収しているわけではない、ということのようだ。

シダ類も興味深い仲間だ。