先日岡山から修理のため我家にやって来たラジオ(カーラジオRM-107)、仕事などの合間をみて修理をしています。私の流儀に従って、まずはラジオの調査から始めました。このラジオの銘板を見ると、帝国電波製と書かれていました。帝国電波は今のクラリオンで、今でもカーラジオメーカーとして有名です。早速ラジオの筐体を止めるネジをドライバーで回して中を開けてみました。すると、メカニカルなチューナーが目に入りました。今は全て電子チューナーですが、昭和40年代までは全てメカニカルなチューナーでした。
メカニカルな選局部を持つ帝国電波製カーラジオ
このメカニカルな機構を見て、とても懐かしい気持ちになりました。選局した上に、その選局した放送局を覚えるプリセット機構はとても精巧です。通常のラジオの選局はバリコンで行いますが、カーラジオの場合はプリセット実現のためμ同調コイルを使っています。これから回路を調べます。回路内に故障があると分かった場合は、手順に沿って故障個所を特定します。もし素子が故障していると分かると、その素子を交換します。
送られてきた箱 カーラジオの銘板 ドライバーで筐体開封
さて、回路には次のような能動素子であるトランジスタが使われていました。シリコントランジスタが一つだけ使われていました。ゲルマニウムからシリコンへの移行期のカーラジオのようです。下図で、1:2SA354,2:2SA353,3:2SA355,4:2SC458,5:2SB77のトランジスタが使われていました。2SC458がシリコントランジスタです。全体的に性能の良い日立製作所製のトランジスタが使われてました。東京から帰ったら、回路を調査しようと思います。
このカーラジオの電子回路、比較的性能の良いトランジスタを搭載