東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

10年前のある出会い、思い出した「健康であればこそ」

2013年09月02日 | 古ラジオ修理工房

 台風15号から変わった熱帯低気圧のため一日中雨でした。この雨のため、農作業や外出ができません。このため、東京から持って帰ったたくさんの荷物を少し整理しました。たくさんの段ボールの中に、コンデンサヘッドホンが入った箱を見つけました。
 このコンデンサヘッドホンでふと思い出したことがあります。それは10年位前のことです。介護福祉士の資格を取るため、世田谷区三田にある介護老人保健施設で実習をしていた時のことです。
 お年寄りの方ばかりの中、私とそう年齢が離れていない若い方が介護を受けていました。その方と、このコンデンサヘッドホンのことで親しく話をするようになりました。その方との出会いのきっかけは、その方の枕元に私が持っていたのと同じヘッドホンがあったことです。

          左の箱は、久しぶりに見つけたコンデンサヘッドホンSR-5


 その方は、このコンデンサヘッドホンの会社(Stax)に勤めていた方で、部長クラス位の方だったようです。しかしある時、脳梗塞で仕事をやめざるをえなくなったとのこと。その方が、私の事をさかんに「うらやましい。」と言っていたことを思い出しました。
 私はその頃「介護などは男のする仕事ではない。」などと言われたことがありました。そんなやや落ち込んでいた時、その方に「ほんとうに、うらやましい。」と言われて戸惑いました。その方が言うには「自分は仕事一筋で楽しかった。しかし、仕事ばかりしていたため奥さんと別れてしまい、さらに脳梗塞になって体がまったく動けなくなった。この体になって初めて、独り身の寂しさや健康のありがたさが身に染みて分かった。」とのことでした。
 「どんな仕事をしていても、健康でありさえすれば最高ですよ。あなたがうらやましい。」などと、私に話しかけてきました。その時、健康であればこそと思い直しました。その方と出会って一年後、無事に介護福祉士の資格を取得しました。その後、デイサービスや病院を勤めあげることができたのは、その方の一言のおかげだったのかも知れません。

    段ボールに収納されたヘッドホン        コンデンサヘッドホンの規格
 

コメント
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