東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古いgeneral製真空管ラジオ6S-16の修理(7)

2012年07月05日 | 古ラジオ修理工房

 朝から大雨のため、畑に出ることができません。そのため、真空管ラジオの調整をすることにしました。今では、真空管は骨董でレトロな物の代表です。しかし、私が中学生の頃まではラジオなどの部品として普通に使われていました。しかし、私が高校に入った頃(1968)から次々にトランジスタに置き換わっていきました。

           真空管ラジオの制作や調整のため、今でも読んでいる古い本


 真空管に関わる書物は、今ではほとんど売っていません。現在私が持っている真空管に関する本は、ほとんどが高校生までに購入したものです。その中でも、古本でしたが「初歩のスーパー研究 杉本哲署」を一番愛読しています。この本は、真空管ラジオに関する記述が多いのですが、トランジスタラジオにも通用する内容が書かれています。特にスーパーヘテロダイン方式がなぜ良いのかなど、その原理について詳しく書かれています。今でも役に立っています。

      中間周波トランスの調整            中間周波数は455KHz
 

 この本を読み返しながら、真空管ラジオの調整(トラッキング)をしました。まずは、中間周波数を455KHzに合わせました。455KHzの電波を400Hzで振幅変調した電波をSGで発信させて調整しました。出力確認にパルボルを使うと良いのですが、高校生の頃と同じように音の大きさを耳で聞いて調整しました。

     本ではPCで発信調整だが        局部発信周波数の調整個所
 

 次に局部発信や同調周波数を調整しました。この調整には、四個所の調整します。局部発信周波数全体は局部発信コイルの芯(フェライト)で調整します。そして、中波の低域側はPC(パディングコンデンサ)で主に調整しますが、このラジオにはPCが付いていませんでした。市販ラジオでは付いていないものが多いようです。

              同調周波数と中波高域の調整用トリマーバリコン


 同調周波数と中波高域を調整するトリマーバリコンを使ってさらに調整しました。これらの調整は、500KHz,1,000KHz,そして1,500KHzで交互に調整を繰り返しながらトラッキングを追い込んでいきました。すると、どの周波数でもラジオ放送がよく聞こえるようになりました。


      最低周波558KHzを受信         最高周波1,770KHzを受信
 

 後で気が付いたのですが、このラジオに搭載されているマジックアイを使って調整しても良かったです。同調すると、マジックアイの緑光が閉じます。同調が外れると緑光が開きます。なおマジックアイは、今のラジオの同調メーターに相当する特殊真空管です。トラッキング調整の結果、受信周波数範囲は558KHz~1,770KHzでした。山口県のため、夜は朝鮮半島や中国の放送がうるさいほど入ります。

                   周波数同調の目安になるマジックアイ

コメント
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