山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

早春のセレモニ-

2014-04-14 01:22:13 | 山歩き.散歩
春の女神がひらひらと舞うこの季節、この石砂の山は年に一度だけ華やぎの時を迎えます。
若葉が萌え、ミツバツツジや山野草のとりどりの絵の具に彩られて山が命を吹き返す季節でもあるのです。

今年この山を歩くのは3度目のこと、ついでに気になっていた春の儀式を済ませたいと思います。
登山口の傍らの沢を下り、昔あった田んぼのあたりでフキノトウと藪甘草を少しだけ摘んでから山に入ります。

 




登山口から15分ほどの庚申塔は、集落の人たちの手によっていつも清められています。
今回は供えるお酒を忘れてしまったので手を合わせただけで山に入ります。






登山道から少し外れて湧水に立ち寄り緑鮮やかなユキノシタの若葉を少し摘んでいくことにしました。






歩きなれた尾根道は今日も僕を優しく迎えてくれました。






幼馴染のKちゃんの山でタラの芽をいくつか摘ませてもらいます、今がちょうど食べ頃ですねえ。






タチツボスミレ、ヒトリシズカ、ミツバツツジ、山の花々の優しい色合いに心なごみます。

 





登山者で賑わう山頂から少し距離を取れば、舞姫とのひと時を静かに過ごすことができるのです。







いつものダイニングは望遠レンズを構える3人のカメラマンに占拠されていました。
仕方なくもう少し下って山飯の準備に取り掛かります。






藪甘草の酢味噌和えを作ってから缶ビ-ルのプルタブを空ける。
癖がなくまろやかな春の恵みが酢味噌によく合ってビ-ルのアテに実にいいのです。

 




フキノトウとタラの芽、ユキノシタは何と言っても天ぷらが一番旨し!





                 

マジックソルトが山菜独特のほろ苦さを程よく引き立てて、あぁこんな幸せがあっていいのでしょうか?




ビ-ルをやりながら、サクッと揚がった山菜の天ぷらを楽しみ、そして本を読む。

『ア-・ユ-・フリ-?(加島祥造著)』
ここに独りでいる そのこと自体が喜びなのではない
ここにいることで今生きているという意識が一層鋭くなる それが喜びなのだ(う~む、言えてる!)


 



少し眠って山をおりる頃、山にはもう人の姿はありませんでした。

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30 コメント

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恵みに感謝 (ヒロキチ)
2014-04-14 08:08:28
山に入る前に現地でつまみを調達し、その場で調理。晴れた空の下、美味いビールを飲みながら自分の時間を楽しむ幸せ。
良い時間を過ごす天才ですね!
揚げたての天婦羅に敵うものはありませんな。
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甘草 (トム)
2014-04-14 13:50:57
先日、初めて甘草を食べました!
お浸しにしましたが、癖もなくシャキシャキで美味しかったです!
何かとストレスの多い日常ですが、長閑な里川で独り釣り糸を垂れる自由時間が幸せです。
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粋ですねえ (兵庫の釣り師)
2014-04-14 17:35:26
春の恵みを少しだけ楽しむ。

これを粋と言わずして何というべきか?

気負わずに山でこんな過ごし方ができる貴殿の人間性に惚れてしまいました。
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春ですねぇ~! (へっぽこフライ師)
2014-04-14 19:08:37
お魚に夢中になりすっかり忘れていましたが、山菜の季節なんですね。
最初はタラの芽と間違えて摘んで食したハリキリ‥香りが良く最近ではお気に入りになってしまいました。

先週めでたくドライデビュー!
北の沢はまだ春遠しといった感じでしたが、山ひとつ越えた東の沢はすっかり春。
ブラインド(叩き遡り)・ライズ・サイト‥思いもよらず良い釣りが出来ました。

ドライで渓魚と会えたので「へっぽこフライ師」に返り咲きです。
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さすが (Kz)
2014-04-14 20:11:01
車止めであんたに会って話をしたと長老のシゲルさんから聞きましたよ。

山の上で山菜を天ぷらで楽しむなんていう芸当はさすが、参りました。
うちの山のタラの芽、他人に採られないうちに収穫しに行こうと思ってます。

春の女神に会えてなによりだったね。
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Unknown (ルアーK)
2014-04-14 21:59:06
山の上で揚げたての天ぷらをたべるなんて素晴らしいですね。

山の恵みを頂くというのは、自然の力を分けてもらうようで、私も、真似してみたいと思いました。

自分で採った山菜を子供に食べさせてみたいです。
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山中美食 (太っちょボブ)
2014-04-15 08:18:55
新緑の中、どの山で何を食べようかとあれこれ考えていました。

摘みたて山菜の天ぷらとは、参りました。塩で食べるのが最高ですね。
が旨いっすね。
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二味違う? (バッカス)
2014-04-15 10:01:01
今年は、意識して山野草を頂くようにしています。

タラの芽、セリ、ウド、フキの葉、ノビル…

体に残る尿酸などの毒を排泄するため、医者も推奨しています。

しかし、私の調達先は三毳山の直売所。先輩の採取した山野草の鮮度、食べる場所を拝見すると、たぶん味が一味も二味も違うのでしょう。

もう一つ脱皮する作戦を考えたい、少しだけ健康に自信を取り戻した後輩です。
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距離 (相模の釣師)
2014-04-15 20:03:19
私の場合・・・多くの人がいるのに私の周りにだけ
人が来ませんでした・・・・泣

伊豆周辺ならタラの芽ありそうですね~
しかし高崎さんの知識は凄いですね。

無性にテン泊したくなってきました
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野草 (高崎)
2014-04-15 23:44:49
ヒロキチちゃん
早々にコメント頂いたのに遅レスですみません。

自然の中に生きる山菜や野草はなぜにこんなにも美しくて美味しいのでしょうか?

山の緑、山の空気、山の花、山の汗、みんなみんな清々しくてええですねえ。

思えば今年は一度もヒロキチちゃんに会っていないのです。

6月頃にまた神の川あたりで熊さん特製のシロコロとカシラで山飯とバクダンで撃沈したいなあ。
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