山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

足るを知る

2006-02-22 01:30:06 | 書籍
ホリエモンが再逮捕された。一昨日のことである。そもそも逮捕など想定外であったろう。理念なき経営は瓦解した。当然のことである。

経営トップには高い見識と正しい経営理念そしてコンプライアンス(法令遵守)が要求される。企業とは、その規模の大小を問わず社会に受け入れられ社会に貢献する存在でなければならない。社会貢献というミッションを掲げて誠実に活動するからこそ社員や社会からの共感と支持を得られて永続できる。

ホリエモンの究極の経営理念は何であったのか?ライブドアが発行する株式価値を日本一にする、そして株主へ利益還元することか。大株主はホリエモン本人である。結果として社会貢献の要素は乏しかった。

ライブドアの資産総額が仮に世界一になったとしてもホリエモンは決して満たされることはないであろう。カネだけを動かす虚業にすぎないから欲望は尽きることがない。巨大コングリマリットの頂点に立ったという実感も湧くまい。悲しい結末である。

人を残すを上とし、業を残すを中とし、財を残すを下とする。有名な格言である。
しかし、私はこの格言に反対論を唱えたい。経営的観点に立てば人も業も財も全て上であり、ことさら蓄財を罪悪視するのは間違いである。

財(お金)は、その使い方で生かされる。企業は健全経営を続ける為に利益を上げ
資金を蓄積する責務がある。その資金は、人材育成、研究開発、設備投資、広告戦略に投資され次のスタ-ビジネスを育てる。この未来投資を惜しんではならない。

『足るを知る』。禅の教えである。正しい教えではあるが難しい教えでもある。人は欲望の強い生き物である。欲望があるからこそ人は成長し、経済も社会も成長してきた。欲望には際限がない。だからこそ、この教えが生きる。

人はどこかの時点で『あゝ、これで充分満足だ』、そう意識することで今の自分に満足でき楽になれる(ものだと信じている)。人は業(仕事)に励みお金を得る。
得たお金が余ったときどうするか。禅の教えの中に答えがある。

『自譲と他譲』。余ったお金は先ず、自分の勉学や老後などの為に蓄える。
そしてなお余ったお金は社会の為に役立てる(寄付をする)。こんな男になりたいものである。

あっけなく瓦解したライブドアに比べれば、小規模ではあっても50年、100年と続くそば屋さんや和菓子屋さんは何とすごいことか。誠実な仕事ぶりがお客様に支持され続けてきた証左である。頭が下がる。

衣食過ぎ、礼節忘るホリエモン。おそまつ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お洒落の本質 | トップ | 海賤山賤 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

書籍」カテゴリの最新記事