山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

北アの峪で天泊宴会

2021-06-13 17:33:44 | フライフィッシング
天泊装備を詰め込んだ重いザックを担ぐのは何年ぶりのことだろうか?
酒と食材で満杯になった相棒寅さんのザックは優に20キロを超えてズッシリと肩に喰い込んでいる
釣りに行くのだというのに夜の焚火に想いを馳せた寅さんの眼は既に恍惚状態で朝から虚ろに潤んでいた



午前8時半、寝床を設えてからブランチにしよう



簡単なつまみと寅さん差し入れの笹寿司でビ-ルを飲りながら寅さんが〆の蕎麦を茹でてくれる
午前9時半、焼酎まで飲ってしまった僕はお蕎麦の後の蕎麦湯で完全に落ちてしまった

 

目の前の登山道を1人、次に二人組の釣り師が通り過ぎてゆく、この上には釣り師のテントも1張り
焦ることはない、北アの峪の涼風を受けながら心地よく眠って夕まずめをのんびり釣れればそれでいいじゃないの





さあ酔いも醒めた、これで気持ちよくロツドが振れる
精力的に釣る寅さんはポイントごとに北ア独特の黒岩魚を引き抜いている



僕はこれが2尾目、8寸弱でも柿色の腹と黒い体色が北ア岩魚そのものである



2尾でようやく解禁が叶った僕は充分に満足した
この大岩に横になって寅さんの釣りを眺めているうちにまた眠りに落ちた、峪の風の何と気持ちいいことか!



テンバに戻る途中で3尾目、寅さんは20尾を越えていたが期待した尺上は出なかったようだ




午後6時過ぎ、焚火を起こしてから寅さんが宴会料理の仕込みを始める



その間に僕は、寅さんが仕留めたオレンジがかった美しい9寸岩魚を捌いて2尾を刺身に



1尾をタタキにしてビールを飲りながら寅さんの宴会料理を待つことにしよう



根曲がり竹、信州特産のアスパラとベーコン
アジは新潟の海で寅さんが釣って手造りした35センチの分厚い干物

 

優しい味のポトフは焚火の前では欠かせない一品でございました



この峪の底でまさか根曲がり竹を頂けるとは、、、、



さあビールのあとは寅さんが担ぎ上げて溪の冷水で冷やした福島の酒『夢の香』を頂きます
アジの干物の塩加減が絶妙で日本酒のアテにこれ以上のものがあるのでしょうか、、、できることなら銀シャリが欲しい!



寅さんの確かな舌で紡ぎ出される酒肴を唯々ご馳走になるばかり、こんな時間がいつまでも続けばいいのに、、、、





2日目、寅さんは早朝4時半から釣りに出かけて15尾を仕留めたと言う
僕はこの風景を前にしたら釣りをするのがもったいなくて
寅さんが淹れてくれたコ-ヒ-を啜りながら紫煙をくゆらせつつ
また釣りに出てゆく寅さんを見送ってのんびりと無為に過ごす時間に幸せを感じていた次第でございます



何はともあれ、ようやく両目を開けられた解禁で幸せな2日間となりました
やはり時間の余裕がもてる天泊はいいものですねえ!
寅さん、幸せな時間をありがとうございました!
コメント (22)
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