山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

北ア偵察釣行 惨敗!

2013-07-24 00:45:07 | フライフィッシング
9月になったら北信濃に住む釣友をプチ遠征に誘おうと考えていた。
その前にイワナの魚影を確かめておこうと偵察釣行に出てみた。

朝夕のウォ-キングをサボっている身には久方ぶりの猛暑の山歩きがエラく堪える。
途中で50代と思しき身軽な釣り人に追い越されて見る見るうちにおいて行かれる。
20代の重装備の登山者にもあっという間に追い越された、若いって素晴らしいなあ!







嫌な予感がしていた。
登山道を1時間半ほど歩いて目的の沢に辿り着いた。
ここまでに越えてきた大小3本の沢の増水がきつくて釣りになる状態ではなかったのだけれど
この沢の状態も同様で対岸への渡渉もままならず、攻めるポイントも殆どみつからない有様である。







登山道に接する辺りの数少ない緩いポイントで6寸ほどのイワナを2尾釣ってリリ-スし上流へと釣り上がる。
白泡だらけの巻き返しに大きめのガン玉をつけたニンフを沈めて何度も丁寧に攻めれども反応はまったく無し。

諦めて早めの川飯にする、、、夏はいかにも涼しきように、、、やはり冷たい沢水に浸したビ-ルは欠かせない。







川飯しながらのんびりしていると先行していたベテラン釣り師が下りてきた。
怖くて渡渉できずに100mほどの区間で粘ったそうだがイワナの気配すら無かったとのこと。
なんでも一昨日までの数日間、50ミリを超えるゲリラ豪雨が続いたようで貧果もやむなしとお互いに慰めあって別れる。







この沢にはいいテン場があって8月に入るとテン泊する釣り師が絶えない。
今日はここでタ-プとシュラフカバ-だけで夜を過ごす、、、この沢には虫がいないのが何よりありがたい。


 
 





イワナ料理のない山の夕餉は侘しいものがある。
お中元に頂いたステ-キ用のハムで昼と同じメニュ-もまた如何にも侘しいものがある。

こんなこともあろうかとザックの中にはいつも本を忍ばせてある。
『池波正太郎指南 食道楽の作法』、四季折々の食と酒に纏わる薀蓄には山飯川飯に通ずるものがあって僕の愛読書の一冊になっている。







食も酒も一期一会、この一食が最初で最期と思ったら一食たりとてないがしろにはできない。
独りの時も食べたいと思うものを食べたいし、心許せる酒敵と呑みながら和やかに語り合う時を過ごしたい。
そう思うと今回の夕餉は死んでも死にきれないほどに侘しいものがある。
イワナを殺すな喰うなと批判する者もいるが次回こそはイワナを酒肴に一期一会の酒を楽しみたいものである。




この夜は風が強くなって眠る前に焚火を消した。
貧果も手伝っていつになく眠れないほどの寒い夜になった。


それでも、この燃えるような夕景に出会えたことで一日のいい締めくくりになったと思いたい。



コメント (28)
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