山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

岩魚の溪へ

2007-04-28 05:15:13 | フライフィッシング
今日27日は月末恒例の相模湖のお客様へ伺う。

某建設会社、苦労したが再建4年目の今年も数千万円の好決算になる。
4年前、危篤状態のこの会社から再建の依頼が舞い込んだ。ガソリンを売らないガソリンスタンドからの紹介であった。建設会社の経験のない私は丁重にお断りしたが、繰り返しの依頼に、先ずは現状分析だけと、、、、。

なんと、借入が売上を上回る、まさに瀕死の状態であった。放漫経営のツケであることには間違いないが、それを許した会計事務所のミスリ-ドの責任は重い。もしこの仕事を請けたら、再建途上で私が死の宣告をする確立99%。こんな仕事はとてもじゃないが請けられない、きっぱりお断りした。

しかしまた繰り返しの再建依頼。結局、請けてしまった。請けてしまったからにはスピ-ド勝負。1ヶ月かかりっきりで再建計画書を創り上げて金融機関に協力を要請した。と言うよりも脅迫に近い強制であった。社長とふたり、2年間で再建しようと覚悟を決めた。社員にも無理を強いた。

再建2年目で黒字決算となったが、資金繰りが好転したのはようやく4年目の今年度からである。一寸先は闇、再建途上で2千4百万円の不渡り手形をくらって諦めかけたこともある。お会いする度に、私のお陰と感謝の言葉を頂くが、社長ご夫妻も社員も並の苦労ではなかった。今は、大手ゼネコンで修行していた後継者も戻り盤石の体制固めに入る。

その後、ガソリンを売らないガソリンスタンドでチ-フ手作りのお弁当をご馳走になり、1時に今日の仕事が終了。あとは私だけの時間である。



今日は『岩魚』に逢いたいと思っていた。
一応、事務所に電話を入れて何もないことを確認して、迷わずいつもの溪に向かう。この溪は、下流が山女魚、上流が岩魚、きちんと棲み分けができている律儀な溪である。午後1時半、ザックを担いでヒュッテ横の登山道を犬越路に向かって登る。その先は、檜洞丸や大室山と言った丹沢の名山、今年はまだ一度も登ってないなあ。



溪を覗きながら登山道を登ります。この辺で私の心は完全にリセットされ自然児モ-ドへ、岳樺の若葉に包まれた溪を見ているだけでワクワクして来ちゃいますですねえ。



アプロ-チ30分で今日の入溪点へ到着しました。神様、ここから『岩魚の聖地』へ入らせていただきますね。



入溪して、もうそこから岩魚の好ポイントが始まります。今日は平日、誰も入っていないとみえて反応はすこぶる良好。



どこまで行っても好ポイントの連続。神様が創り賜もうた岩魚の聖地、今日は独り占めだっちゃ。



きょう一番の良型岩魚、きれいだ。『君に逢いたかったんだよ~!』



たばこを一服して、ちょっとク-ルダウン。溪の風が心地よくそよぐ。



さあ、また登ろう。まだまだ険しい溪が続きます。



そしてまた好ポイント。もう垂涎ものです、ヨダレたら~なのです。



そしてまた美しい岩魚との出会い。この繰り返し。『あゝ、この溪はオリのものであるぞ~』



たっぷり3時間、岩魚の聖地に身を置いて、、、、。
さあ帰ろっかなあ。いま登ってきた溪を振り返ってみました。この急峻な溪には岩魚しか住めないんだよなあ。いつまでもこのままの姿で残って欲しいと祈りながら溪を後にしました。



しばらく下り道を歩いて、登山道から溪を覗いてみます。下流の溪はこんな感じです。穏やかになり始めた流れを見ていると少しずつ昂ぶった気持ちが穏やかになってくるものなんですね。



そして、緑に包まれたヒュッテに帰り着きました。30年以上も前から親しんだこの佇まいを目にすると、ほっとするのです。『私の居場所はここなんだ』と実感する瞬間、、、、、。



ヒュッテの横に、今年も『春蘭』が咲きました。『また来年も逢おうね』



岩魚の聖地、ありがとね。




コメント (10)
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