この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

おそらく子を持つ者と持たぬ者では感想が違う『ブライトバーン/恐怖の拡散者』。

2019-11-17 22:14:29 | 新作映画
 デヴィッド・ヤロヴェスキー監督、ジャクソン・A・ダン主演、『ブライトバーン/恐怖の拡散者』、11/16、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13にて鑑賞。2019年54本目。


 おそらくですが、本作は子を持つ者と持たぬ者では感想が違うのではないかと思われます。
 ほとんどの子を持たぬ者にとって本作ははどこまでいっても(『スーパーマン』+『オーメン』)÷2でしかないでしょう。

 しかし子を持つ親、特に思春期を迎えたばかりの子を持つ親にとって本作は真に恐怖を覚える作品ではないでしょうか。
 本作の主人公ブライアンはそれこそ地球ちを破壊するほどのパワーを持つスーパーマンですが、彼ほどのパワーを持たずとも、それまで素直で優しかった我が子がある日突然反抗的になって何一つ自分の言うことを聞かなくなったら、親からすればそれは地球が破壊されるほどの衝撃でしょうからね。

 先ほど子を持たぬ者にとって本作は(『スーパーマン』+『オーメン』)÷2でしかないと述べました。
 しかし、自分も独身で子供はいませんが、自分の感想は若干違います。

 ブライアンを邪悪なる者として捉えている人が多いようです。
 しかし本当にブライアンは邪悪なのでしょうか?
 そうではない、というのが自分の考えです。

 ブライアンはある夜、クラスメイトの女の子の部屋に侵入し、彼女を恐怖のどん底に突き落とします。
 けれどブライアンが望んだのは彼女に怖い思いをさせることではなく、単に彼女と親しくなりたかっただけ、なんですよね。
 そしてそういう行動に及んだのは義理の父から異性に思いを寄せるのは悪いことではないのだというアドバイスを受けたからです。
 
 また女の子の母親を惨殺したのは、女の子から「ママからブライアントは口をきくな」と言われたからです。
 彼女の言葉を額面通りに受け取り、母親さえいなくなれば彼女が自分に打ち解けてくれる、そう考えたのでしょう。
 それは愚かしい考えですが。

 最終的にブライアンは自分を愛し、育ててくれた義理の父と母もその手にかけて殺してしまいます。
 しかし決してブライアンの方から手を出したのではありません。
 先にブライアンを殺そうとしたのは義理の父の方であり、義理の母の方です。

 思うにブライアンは邪悪なのではなく、無垢なのではないでしょうか。
 無垢なるがゆえに言葉の裏の意味を考えることが出来なかったのです。

 ブライアンは比類なきパワーを持ちます。
 彼に対抗しうるパワーを持つ者は存在いません。
 しかし同時に彼は孤独な存在です。
 仮に彼が世界のすべてを手に入れたとしても、その喜びを分かち合う者はいません。
 パワーを持つということがどういうことなのか、本作は『スーパーマン』より如実に語ってくれるのです。


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