桃太郎(以下桃)なぁ一つ聞きたいんだけど。
犬 何です、桃太郎さん。
桃 鬼が島までは舟で行くんだよな?
犬 そりゃまぁそうですね。キジさんと違って私たちは飛べませんから。
桃 その舟は誰が漕ぐわけ?もしかして、俺?
犬 そりゃそうですよ。サルさんの手は櫂(かい)を持つには小さいですし、
私やキジさんではそもそも櫂を持てませんからね。
桃 ヤダ。かったるい。
犬 何ですって?
桃 知ってる?鬼が島の周りってスゲー潮の流れが速いってこと。
あの潮の流れを乗り切って鬼が島まで舟で辿りつくのってそーとー大変よ?
無事辿りつけたとしても疲労困憊、ヘロヘロになって鬼たちと戦っても
絶対勝てっこないって。
犬 何を言ってるんです、今さら!
桃 だからさ、俺、考えたんだよね。
この際キジに夜中にこっそり鬼が島まで飛んでもらって、
奴らの村の井戸に毒を混ぜたらどうだろうって。
キジ え、あっしがですか?
犬 そ、そんなの卑怯すぎます!
桃 いいじゃん、絶海の孤島で何が起ころうが、誰にもわかりっこないんだし。
サルはどう思う?
サル いいんじゃないですか。鬼が全滅したころを見計らって鬼が島に乗り込みましょう。
桃 よし、決まった!
犬 ひどすぎる!!
桃 まぁそう言うなって。この世の中、勝ったもんが正義ってことよ。
サル・キジ まったくですな。
犬 鬼はあんただよ、桃太郎さん…。
おわり
犬 何です、桃太郎さん。
桃 鬼が島までは舟で行くんだよな?
犬 そりゃまぁそうですね。キジさんと違って私たちは飛べませんから。
桃 その舟は誰が漕ぐわけ?もしかして、俺?
犬 そりゃそうですよ。サルさんの手は櫂(かい)を持つには小さいですし、
私やキジさんではそもそも櫂を持てませんからね。
桃 ヤダ。かったるい。
犬 何ですって?
桃 知ってる?鬼が島の周りってスゲー潮の流れが速いってこと。
あの潮の流れを乗り切って鬼が島まで舟で辿りつくのってそーとー大変よ?
無事辿りつけたとしても疲労困憊、ヘロヘロになって鬼たちと戦っても
絶対勝てっこないって。
犬 何を言ってるんです、今さら!
桃 だからさ、俺、考えたんだよね。
この際キジに夜中にこっそり鬼が島まで飛んでもらって、
奴らの村の井戸に毒を混ぜたらどうだろうって。
キジ え、あっしがですか?
犬 そ、そんなの卑怯すぎます!
桃 いいじゃん、絶海の孤島で何が起ころうが、誰にもわかりっこないんだし。
サルはどう思う?
サル いいんじゃないですか。鬼が全滅したころを見計らって鬼が島に乗り込みましょう。
桃 よし、決まった!
犬 ひどすぎる!!
桃 まぁそう言うなって。この世の中、勝ったもんが正義ってことよ。
サル・キジ まったくですな。
犬 鬼はあんただよ、桃太郎さん…。
おわり
課題では桃太郎が【面倒臭がり・心配性・おせっかい・優柔不断・楽観的】のいずれかの性格であるという条件で、自分は「面倒臭がり」を選択したのですが、いざ出来上がった作品では桃太郎は面倒臭がりというより、かなり鬼畜な性格になってしまいました。笑。
まぁでも十分か、十五分ぐらいで書いた作品にしてはまぁまぁよく書けているんじゃないの?って自惚れています。
せぷさんが書いた戯曲ですね♪
戯曲なので、舞台で演じられている様子を想像しながら読みました。
まっすぐな性格の犬、いい加減なキジとサル、そして怠け者の桃太郎(^^;;
キャラクターがしっかりと描かれていたので、演者の様子を想像するのは楽でした。
皆、私の頭の中で、イキイキと、素晴らしい演技をしてくれました!
やっぱり、台詞が良かったからだと思います。
長すぎたり、たどたどしかったり、聞いていて違和感を感じたり、説明口調だったり、そんな台詞だったら、もう台無しですからね。
オチもばっちりきまってましたね(^^)
戯曲講座で書いたはいいものの、誰にも読んでもらえないままというのはあまりに悲しいので助かりました。
この作品はともかくとして、原作の『桃太郎』でも、桃太郎たちが正面から鬼が島に乗り込んで、それで鬼たちを打ち倒すというのはあり得ないと思うんですよね。
それだといくらなんでも鬼たちが弱すぎます。
さすがに毒を用いたとまでは思いませんが、桃太郎たちも何かしら策を弄したと思うのです。
そんなふうにいろいろ考えるのは楽しいので、戯曲ではないですが、『シンデレラ』や『赤ずきん』、『ウサギとカメ』の二次創作作品を書きました。
蒼史さんにも読んでもらえましたよね。
なるほど、史実は勝者に都合良く書かれているといわれますよね。
桃太郎の場合、「都合よく」イコール「正々堂々」といったところでしょうか。
今の時代だったら「正々堂々」よりも「策で倒す」ほうがカッコイイ!ってことで、せぷさんの戯曲のような桃太郎になっていたかもしれませんね(^^)
基本的に歴史は勝者が作るものです。
敗者が何を言っても戯言でしかありません。
公平な記録者がいればいいんですが、そういうことは稀です。
>今の時代だったら「正々堂々」よりも「策で倒す」ほうがカッコイイ!ってことで、
正々堂々とした戦いで相手に打ち勝つことが理想の勝ち方だとは思いますが、現実においては中々そういった戦いは出来るものではありません。
相手の弱点を突いたり、奇策を弄したり、勝つためには手段を選んではいられません。
自分が戦国時代の軍師だったら、ほんと、有能だけど人望のない軍師になっていたと思います。笑。