７戦までもつれ込んだ日本シリーズも今日決着がつく。
先発は巨人が杉内、楽天が美馬の投げ合いからスタートした。
美馬は前回投げた時と同様球がよく走っていたが、杉内は調整不足であ
まり走っていなく球筋が定まらない。
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その日投げる投手の調子はキャッチャーが一番わかるのだが、巨人安部
は杉内の調子がよくないのはすぐにわかった。さかんに巨人ベンチをチ
ラチラ見ながら杉内の危険信号を出すのだが、原監督は杉内がいつも尻
上がりによくなるので見守った。
しかし初回１点、２回にも１点楽天に先行され雲行きがあやしい。
巨人の強力打力を考えれば２点ぐらい跳ね返すだろうと思ったが、美馬
の調子は想像以上によく、塁に出ることすら出来ない。
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７回、８回を則本にたくし、９回は前日１６０球を投げた田中マー君が
登場した。高校野球ならいざ知らずプロ野球でこんな登板はありえない
、下手すると選手寿命も縮めかねない。マー君はお世話になった東北の
人たちに、自分の最後の姿を目に焼き付けさせようと志願したのだ。
そして見事胴上げ投手になった。
マー君のこの負けじ魂あったから楽天がここまで来たのだろう。
優勝が決まった瞬間、楽天ナインの目には涙があふれていた。
切り込み隊長の銀次が、星野監督の腕の中で子供のように泣く姿は印象
的だった。一番罵声をあげられ、一番成長したあかしに他ならない。
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来年から田中マー君は大リーグに行っていなくなる。
いなくなった穴は大きいが、この日本シリーズで強敵巨人を倒して大き
く成長した楽天ナインがそこにいる。星野監督と楽天ナインは、これか
らも東北の人たちに希望と勇気を与え続けるだろう。
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