現代を生きる人間は国家とどう向き合い、国家をどう乗りこえるか 第1回
序(1)
坂本義和氏については、昔新聞紙上で名前だけは拝見したことがある程度で、恥ずかしながら今まで1冊の本を読んだこともなかった。したがって坂本氏が東大法学部の故丸山真男教授の門下生であり、国際平和学の学徒であるとか、実証的政治史というよりは価値観的(実践的)政治学の道を長年歩んでこられた言論界の左系の大物(京都大学政治学科が右系の大物猪木政道・高坂正堯であることに対して)であったことも知らなかった。何も知らなかったが、本書の題名「人間と国家」からすると、反国家主義者の自伝かと思って読んで見た。まずは坂本義和氏のプロフィールの骨子だけ(本書がそのプロフィール全体の書物であるから)を記しておく。坂本 義和 (1927年9月16日 生まれ )は、日本の政治学者。東京大学名誉教授、国際基督教大学平和研究所顧問。専門は、国際政治学・平和学。戦後の進歩的文化人を代表する人物の一人であり、学問的活動とともに、論壇で発言し続けたという。1945年3月に東京高等師範学校附属中学校(現・筑波大学附属中学校・高等学校)を卒業。旧制第一高等学校を経て、1951年、東京大学法学部卒業。シカゴ大学に留学し、ハンス・J・モーゲンソーに師事。1964年から1988年まで東大法学部教授として国際政治学を担当する。東大紛争では加藤一郎総長代行と共に解決に尽力。東大教授退官後は明治学院大学、国際基督教大学で教える。主な著書には
『核時代の国際政治』(岩波書店, 1967年/新版, 1982年)
『平和――その現実と認識』(毎日新聞社, 1976年)
『軍縮の政治学』(岩波新書, 1982年/新版, 1988年)
『地球時代の国際政治』(岩波同時代ライブラリー, 1990年)
『相対化の時代』(岩波新書, 1997年) などがある。
序(1)
坂本義和氏については、昔新聞紙上で名前だけは拝見したことがある程度で、恥ずかしながら今まで1冊の本を読んだこともなかった。したがって坂本氏が東大法学部の故丸山真男教授の門下生であり、国際平和学の学徒であるとか、実証的政治史というよりは価値観的(実践的)政治学の道を長年歩んでこられた言論界の左系の大物(京都大学政治学科が右系の大物猪木政道・高坂正堯であることに対して)であったことも知らなかった。何も知らなかったが、本書の題名「人間と国家」からすると、反国家主義者の自伝かと思って読んで見た。まずは坂本義和氏のプロフィールの骨子だけ(本書がそのプロフィール全体の書物であるから)を記しておく。坂本 義和 (1927年9月16日 生まれ )は、日本の政治学者。東京大学名誉教授、国際基督教大学平和研究所顧問。専門は、国際政治学・平和学。戦後の進歩的文化人を代表する人物の一人であり、学問的活動とともに、論壇で発言し続けたという。1945年3月に東京高等師範学校附属中学校(現・筑波大学附属中学校・高等学校)を卒業。旧制第一高等学校を経て、1951年、東京大学法学部卒業。シカゴ大学に留学し、ハンス・J・モーゲンソーに師事。1964年から1988年まで東大法学部教授として国際政治学を担当する。東大紛争では加藤一郎総長代行と共に解決に尽力。東大教授退官後は明治学院大学、国際基督教大学で教える。主な著書には
『核時代の国際政治』(岩波書店, 1967年/新版, 1982年)
『平和――その現実と認識』(毎日新聞社, 1976年)
『軍縮の政治学』(岩波新書, 1982年/新版, 1988年)
『地球時代の国際政治』(岩波同時代ライブラリー, 1990年)
『相対化の時代』(岩波新書, 1997年) などがある。
(つづく)