肝臓が心配なあなた早やめに診察を 第2回
序(2)
また肝臓機能の点から血球数も重要である。「AST」、「ALT」は肝臓の細胞が破壊されたときに血液中に漏れ出てくる「逸脱酵素」である。ALTはその殆どが肝臓にあり、正常値は40以下です。ASTは肝臓以外でも心臓や筋肉、腸にも含まれ、正常値は30以下である。「ALP」と「γーGTP」は胆道系酵素である。この2つの値が高くなると、「閉塞性黄疸」と「肝内胆汁うっ滞が考えられる。そして同時に「総ビリルビン」の値も上昇しているのが特徴である。「ALP」の値が単独で高くなるときは肝臓以外の病気(骨や小腸)が疑われる。「γーGTP」はアルコール性肝障害の敏感なマーカーである。ビリルビンは肝臓で作られ、胆管から12指腸で分泌される。ビリルビンが腸に行かないで血液に出てくるのが黄疸である。溶血性貧血でも「総ビリルビン」は上昇する。血液中の蛋白質の殆どは肝臓で作られるので、「総タンパク」の低下は多くは肝機能の低下を反映する。肝硬変など進んだ病態の指標である。赤血球の数は貧血の程度をあらわす。肝臓の病気で貧血が起きるのは、肝硬変が進んで脾臓が大きくなり、脾臓で赤血球が壊されるからある。赤血球や白血球の数が減少するのは肝硬変が進んでいる事を示す。ウイルス検査で、B型肝炎ウイルスの有無をしらべるHBs抗原、HCV抗体はC型肝炎ウイルスの有無を検査する。一度C型肝炎に感染した人も陽性とでるので、本当にウイルスがいるかどうかは遺伝子検査が必要となる。肝がんには「腫瘍マーカー」といわれる「AFP」、「PIVKA-Ⅱ」の検査がある。人間ドックでは「AFP」が検査されるが、慢性肝炎や肝硬変でも「AFP」が高くなるのは、肝臓細胞の再生が盛んに行われているという証拠でもある。人間ドックや成人病健診の目的は、主に慢性的に経過する病気を発見することである。肝臓で言えば脂肪肝や慢性肝炎、肝硬変を見つけることだ。急激に展開する激性肝炎やガンなどではあまり参考にならない。検診直後にガンが発生し1ヵ月後にガンの手術をした話もよく聞く。
血液検査で異常値を見つけたら黄色信号なのだ。赤信号になる前に精密検査と必要な治療を受けるべきなのだ。C型肝炎の遺伝子型2a型は今では80%に人が完治する時代である。善は急げである。医師の診断を受ける際に明らかにすべきことは、①原因は何か、②病態はどの程度か、③治療はどうするかの3点である。人間ドックなどで「肝臓が悪そうだ」と指摘されたら、「肝臓病の専門医」か「消化器病の専門医」を目安に門を叩くべきです。開業医、一般病院、大学病院のいずれでもきちんと見て対処してくれるならどこでもいいのだ。検査機器の完備している大学病院ならよさそうですが、紹介や時間が必要なら、専門医を探すべきです。自分の守備範囲をわきまえた「よい医者」なら、必要なすべての手配をしてくれるはずです。
序(2)
また肝臓機能の点から血球数も重要である。「AST」、「ALT」は肝臓の細胞が破壊されたときに血液中に漏れ出てくる「逸脱酵素」である。ALTはその殆どが肝臓にあり、正常値は40以下です。ASTは肝臓以外でも心臓や筋肉、腸にも含まれ、正常値は30以下である。「ALP」と「γーGTP」は胆道系酵素である。この2つの値が高くなると、「閉塞性黄疸」と「肝内胆汁うっ滞が考えられる。そして同時に「総ビリルビン」の値も上昇しているのが特徴である。「ALP」の値が単独で高くなるときは肝臓以外の病気(骨や小腸)が疑われる。「γーGTP」はアルコール性肝障害の敏感なマーカーである。ビリルビンは肝臓で作られ、胆管から12指腸で分泌される。ビリルビンが腸に行かないで血液に出てくるのが黄疸である。溶血性貧血でも「総ビリルビン」は上昇する。血液中の蛋白質の殆どは肝臓で作られるので、「総タンパク」の低下は多くは肝機能の低下を反映する。肝硬変など進んだ病態の指標である。赤血球の数は貧血の程度をあらわす。肝臓の病気で貧血が起きるのは、肝硬変が進んで脾臓が大きくなり、脾臓で赤血球が壊されるからある。赤血球や白血球の数が減少するのは肝硬変が進んでいる事を示す。ウイルス検査で、B型肝炎ウイルスの有無をしらべるHBs抗原、HCV抗体はC型肝炎ウイルスの有無を検査する。一度C型肝炎に感染した人も陽性とでるので、本当にウイルスがいるかどうかは遺伝子検査が必要となる。肝がんには「腫瘍マーカー」といわれる「AFP」、「PIVKA-Ⅱ」の検査がある。人間ドックでは「AFP」が検査されるが、慢性肝炎や肝硬変でも「AFP」が高くなるのは、肝臓細胞の再生が盛んに行われているという証拠でもある。人間ドックや成人病健診の目的は、主に慢性的に経過する病気を発見することである。肝臓で言えば脂肪肝や慢性肝炎、肝硬変を見つけることだ。急激に展開する激性肝炎やガンなどではあまり参考にならない。検診直後にガンが発生し1ヵ月後にガンの手術をした話もよく聞く。
血液検査で異常値を見つけたら黄色信号なのだ。赤信号になる前に精密検査と必要な治療を受けるべきなのだ。C型肝炎の遺伝子型2a型は今では80%に人が完治する時代である。善は急げである。医師の診断を受ける際に明らかにすべきことは、①原因は何か、②病態はどの程度か、③治療はどうするかの3点である。人間ドックなどで「肝臓が悪そうだ」と指摘されたら、「肝臓病の専門医」か「消化器病の専門医」を目安に門を叩くべきです。開業医、一般病院、大学病院のいずれでもきちんと見て対処してくれるならどこでもいいのだ。検査機器の完備している大学病院ならよさそうですが、紹介や時間が必要なら、専門医を探すべきです。自分の守備範囲をわきまえた「よい医者」なら、必要なすべての手配をしてくれるはずです。
(つづく)