主にオートバイ。時々クルマ。
なんだかんだと永年のブログです。
風に向かう刻
ちょっとそこのポストまで
ちょいとそこのポストまで。そんなつもりで外に出ると、
もはや形容のしようがない程の完璧なツーリング気温でした。
少しだけ、それも『10kmぐらいは走ろうかなぁ』などと思い
一応フル装備のライディング用ジャケット、
シューズ、グローブにフルフェイスメットという出で立ちで
先日整備済のスーパーカブに跨り軽く暖機をします。
自分とバイクの様子を見ながら数km。
ここまで走ったところで、いつもCBRで走るルートに行きたくなり
そのまま走り続ける事に致しました。
自宅から数十㎞のいつものダム湖近くまで走り、
ちょっとだけ立ち寄ろうかという考えが過ぎったものの
目の前の大型バイク(YAMAHAのTDM?)が実にまったりペースで
気持ちよく走っている姿に釣られ、養老渓谷付近までいつもの道。
考えることは同じなのか、TDMの彼もまた同じルートだったようです(笑
温暖な千葉にあって、
養老渓谷はまだまだ紅葉の気配はありませんが
気の早い東京からの観光客が、かなりの数で散策をしているのを横目に
渓谷の中をスイスイと走り抜けます。
TDMの方は、途中で別方面に曲がってしまったのですが
私はいつものルートを更に更に進んでゆきました。
カブとはいえ、産業道路などの直線では厳しいものの、
内陸の山道では70ccあるその動力性能が不足することもありませんので
並の乗用車やバイクには問題なくついてゆく事が出来ます。
実際、カブのコーナリング性能はバカにできないものがありまして
流石に登りの狭い峠では、2速全開で登り続けることになりますが
それでも50km/h程度のアベレージは出せますのでここも充分です。
下りの峠は水を得た魚ってなモンで、
今まで車の流れに乗るのに不便したことはありません。
カブとみるや煽る、心ない四輪が多いのも事実ですが、
そういう短慮な方がついてこられない程度のペースは余裕です。
下りの峠だけですけれど(笑 そしてまた直線で煽られる…と。
でも、法定速度+αで走っているので気にしません。
加速は軽自動車と同程度には出来ますし、80km/hは出ますしね。
途中、休憩を一切挟むこともなく。
心の赴くままに走り続けると既にそこは太平洋でした。
ここで初めての休憩。
薄曇りですが、寒くも暑くもなくいい感じです。
目を転じると、ちょっと変わったモニュメントが。
据え付けのプレートを読むと、【宇宙飛行士来町記念】とあります。
率直な感想としては、
『わざわざ石碑建てる程の事かしらん?』とも感じますが、
これにはしっかりとした理由があるようでして、
この町は”250年前に、オロシヤ人が日本に初めて上陸した地”だそう。
それで、1989年に
オリョーグ・マカロフ(ソビエト連邦:'89当時はソ連ですよね)
ラッセル・シュワイカート(アメリカ合衆国)
ゲオルギ・イワノフ(ブルガリア)
の3名が招聘されたとの事です。なるほどなぁ…。
続いて、普段のCBRでは南西に向かい鴨川方面に行く途中で
峠道を求めて清澄寺方面に北上するのが常でありますが、
今日は気まぐれで北東方面に海岸線を進むことに致しました。
暫く走ると、寂れた割に妙に小綺麗な無人駅を見掛けました。
以前から気になってはいたものの、なんとなく通り過ぎていた駅。
メットを脱いでちょっと構内に入ってみました。
ここは【行川アイランド駅 (外房線)】です。
”行川”は”なめがわ”と読みます。
首都圏にお住まいの一定以上の年齢の方には
千葉県のリゾート地といえば”行川アイランド”という方も
意外と多いのではないでしょうか。
千葉県の浦安にディズニーランドが出来てより、
集客が鈍りトドメをさされた格好になるリゾート地のようですが、
在りし日はかなりの賑わいを見せていたようですね。
この駅は、その行川アイランドの為に造られた駅なのです。
待合所の中には、乗車証明の自動発券機も。
正直に白状すると『ボタンを押したい!』と思ったのですが
今日は乗客ではありませんので我慢です。
こういう単機能で堅牢な感じの機械、大好きなんです。
今や利用客もほぼ無い、僻地の駅にありながらも
近代化の波はここまでしっかり及んでいるようです。
無人駅も堪能し、駅前の道路を少し下ると・・・
行川アイランドの施設跡らしいものが見えてきました。
ちょっと判りにくい交差点を右折し、駐車場まで入ってみます。
『うーん南国!』そんな感じの蘇鉄?棕櫚?が
廃園されて久しいというのに、悠々と聳えています。
階段を上ると、チケット売り場の所まで進めました。
この先は、大きなトンネルになっているようですが
立ち入り可能なのはここまでなので写真もありません。
営業当時は、トンネルを抜けるとそこは南国だった・・・
そんな雰囲気を地でいくとてもいい場所だったようです。
閉園前後を問わず、様々なロケーションが行われた事もあるようで
ネットで調べた限りですと、
金田一少年の事件簿(ドラマ)のロケや仮面ライダーの撮影、
キカイダーやら宇宙刑事シャイダーに戦隊モノ、
果ては怪傑ズバットなんかも撮影されていたようですね。
余談ですが、そろそろ還暦を迎える我が母に問うて見た所、
「私も行ったことあるよ~!」との事でした。
当時、後楽園ゆうえんちでタワーガールをやっていた母ですが
若き日の思い出を聞くと、息子としても妙な感じです(笑
ここから…何故か写真を撮り忘れているのですが
更に海沿いを走り、
勝浦手前で見掛けたポストに漸く郵便物を投函しました(笑
あとは一気に、日本三大朝市で有名な勝浦を抜け
国道297号から房総半島内陸を北上して自宅まで。
自宅近くで寄ったガソリンスタンドで最後の給油。
カブにはトリップメーターがありませんので、
少々曖昧ですが、前回給油から200km程度は走ったようです。
給油量は3.32l 燃費は60km/l程度です。
やっぱりカブは動力付きの乗り物としては究極のエコです。
僅か70ccのエンジンから出る排気でありながら、
普通乗用車と同じかそれ以上のペースで走りこの燃費。
エコを標榜するなら、環境に悪いエコカーへの補助金などではなく、
自動車を持たずにカブに乗る人間に補助金を出すべきです(笑
エコカー商法は本当に欺瞞ですね。
素直に”経済振興販売奨励金”とでも言えば嘘にならないのに。
結局、今回の総走行距離は170km程度。
全行程ほぼ全て走りっぱなしであり、
買った物は120円のミネラルウォーターとガソリンだけで
僅か500円ちょっとの出費でしたが、
最高の気候と気負わないツーリングに大満足でした。
私は冬も走るライダーですが、
この気持ちいいシーズンを逃さないようにまた走りに行くつもりです♪