こんなんじゃねぇよなぁ

　タイトルの言葉が少々お下品で御座いますが。オホホ。

　金曜ロードショーが始まるのに先んじて、
昔買ったDVD版の”ルパン三世　カリオストロの城”を観ました。
先日買ったプロジェクタに、安いスピーカーを繋げただけですが、
FullHD液晶画面のそれとはまた違う味があって殊の外良かったです。

　劇中、ルパン一味やら銭形のとっつぁんやらというのを見ると
宮崎アニメだから、ルパンだから、というのもありますけれど
キャラクターが実に生き生きとしていますよね。
なんとも表現が難しいですが、
イキオイが勢いを産み、それが未来に繋がっていくあの感じ。
その瞬間瞬間を、自分なりに精一杯動く事によって
それが自分に嘘を吐かない事につながるというのかなぁ。
そういう潔さ、カッコ良さがあります。

　天地がひっくり返ってもルパン体型にはなれませんが（笑
『アニメキャラだから』だけではない見習うべき所がある気がします。
好きなシーンは沢山ありますが、銃撃されて意識不明になった直後、
気づくとすぐに体力を付けるために、食べ物を貪り食うシーン。
人としてああいう姿勢は大好きなのです。
　　
　
　　　
　毎度ながらの清々しい感動のラストからの興奮が冷めやらぬまま、
それまで横たわって見ていたベッドから飛び起きまして
「行くしかないよな！」などと気合いを入れ、
メットとタンクバッグ、ジャケットを掴み
金曜ロードショー本編開始を前に家から飛び出ました。

　折しもこの週末は雨ということで、
秋の夜の雰囲気を楽しむには今夜が最適だったというのもあります。
時間は既に２１時前ですので、近所に気を使いながら
エンジンがストールしない程度の、最低限の暖機を済ませます。
　
　今夜の相棒は、YAMAHAのRZ250R。
まともに乗るのは実に１ヶ月以上ぶりだったりしますので
バッテリや、タイヤの空気圧の状態を簡単に確認しておきます。
空気圧は少し低めですが、グーで殴った感触で概ねOKとしました。
気温が夏場より下がっているのでそれも見越してということです。

　自宅から近くの街道までソロソロ走り、路肩で本格的な暖機を完了。
走り出すと、様子を見ながらペースを上げてゆきます。
気温は感覚からすると15℃ぐらいでしょうか。
メッシュジャケットに下は半袖シャツという出で立ちですが
肌がひんやりと冷え切るこの季節特有の感じがとても心地よいです。
　

　バイクも体も徐々に馴染んできた辺りの交差点で。

　ここから数十㎞ほど、房総半島の内陸を貫く国道をゆきます。
そこは辺境の千葉県、交通量が少なく流れが速いのが特徴です。
一応国道なので路面は比較的整備されていますが、
街灯は非常に少なく、100m以上真っ暗なままなのも珍しくありません。
　
　対向車も民家も少ない付近では、自ずとペースも上がります。
2stのバイクでペースを上げた事のある人は解るかもしれませんが
自分の後ろに吐き出した筈の煙が、
減速時に慣性で自分より前に飛び出てくるようなペースです。
あの匂いがすると、やっぱりテンションが上がりますね。

　鈍った体を積極的に使い、
常にほぼ中腰に近い状態で舞うように進みます。
時にはタンク後部の上に荷重したりもするのがRZらしいところ。

　如何に2stが一番過激だった（気分的なものです）時代のものとはいえ
所詮は45PS、CBR1000RRに比べればパワーなど無いに等しいですが
『これは30年前のバイクだぞ』と自分に念じながらも
可能な限りの引き出せる範囲で楽しむと実に痛快です。
2stらしいRZにあっては、YPVS付きとはいえ7000rpm以下は使い物にならず
自然、コーナーでもほぼ常にパワーバンドの9000rpm付近を使います。
　
　昔のバイク特有の、
ロービームでは一つ先のコーナーすら見えないヘッドライトですが
適宜ハイビームに切り替えながら、
あっという間に20kmほど深夜の国道を走り抜け、
控えめな街の灯りがチラホラ見えてきた辺りでクールダウン。

　それまで真っ暗な道だったゆえにコンビニの蛍光灯が眩しいです。
　
　
　ここから数kmは、少しだけ増えた車と一緒に流れに乗り
見えてきた看板を読むと”道の駅　たけゆらの里おおたき”との事。
時間は既に２２時前なので施設の営業は終わっているものの、
道の駅の例に漏れず、自販機とトイレは稼働しているので立ち寄ります。

　ナトリウム灯の明かりの下、
トイレを利用した後に自販機で冷たく濃いお茶を買いました。
体はそれなりに冷えているものの、
敢えてこのタイミングでの冷たい物も精神が落ち着いて良い感じです。
　
　バイクの側でエンジンの冷える音を聞きながらぼけーっとしていると
行きがけに見た３台もの片側ヘッドライト切れの車や、
フロントカウル面のライト両脇に、
広範囲に青LEDを配置したビグスクに呆れた事も頭を過ぎりますが
（まるで仮面ライダーアクセルです）
『いつも通り、千葉県警は仕事しないなぁ…』ぐらいのモンで。
そんなどうでもいい事は、早い段階で頭から去ってゆきました（笑

　暫くすると、薄暗い駐車場の入り口が騒がしくなってきました。
『暴走族でも集まってきたかな？』と思うと、随分と意外な集団。
初老のご婦人連中が何故か十数人屯しているのです。
寄り合いにしては妙な時間に、妙な場所ですし・・・
とりあえず、騒がしく居づらい雰囲気になってきたので（笑
お茶を飲み干すとほぼ同時に出発することにしました。
　
　
　
　帰路も行きと同じくそれなりに視界の効く国道を選び
これまたスイスイと、行きに感じた違和感と実際を摺り合わせつつ
あっという間にペースを上げられる区間が終わりました。
　
　都市部に近づいて増えてきた車の流れに身を委ね
帰りがけにガソリンスタンドに立ち寄りました。

　この時点で109km。
ガソリンは10.97リットル入りましたのでおよそ10km/lですね。
最初の様子見が効いたのか、今回は比較的燃費が良かったようです。
それにしても、相変わらずガソリンのお値段は高めですね。
レギュラーで126円/lだそうです。
それから暫く走り無事に帰宅致しました。
　
　
　それにしても、今頃の季節はやっぱり気持ちよいです。
ともすると肌寒い程の気温が、
ひんやりとライダーの感性を研ぎ澄ますので
バイクに乗るという頭も体もよく使う行為に丁度良いのですよね。
　
　ともすると、雨だの夜だのとちょっと辛い経験から
そういった状況での運転は倦厭しがちですが、ライダーは走ってこそ。
思い立ったその瞬間に動けるフットワークは維持したいですね（笑