日記とあんまり関係ないタイトルは子供の頃のカードダスに書いてあった一文。
1枚20円で「ガリッガリッガリッ」って回すアレの、割と最初の方のものだと思います。
ふと思い出すに至り『SDガンダムとか懐かしいな~』と申し上げようと思ったところ、
しぶとく今でもテレビでやってたりするんですね~。
現在のものは三国志がベースのようですが、
我々の頃は戦国から中世ヨーロッパへの過渡期にあったように思います。
闇皇帝、殺苦頭、サタンガンダム、サイコゴーレムなんてのもいました。
というわけでスーパーカブ70DXのお話。
昨夜駅から延々と歩いて辿り着いたバイク用品屋で受けとった部品を使い
朝一番から消耗品の交換作業に入ります。
本当は7:00頃から始めようと思ったのですが、なんとなくだらだらしていたら7:30頃に。
休みの日ですから気楽なものです。
まずは素材の準備。
ちょちょいとカバーを外しまして・・・
写真で見るとちょっと汚いだけで害はなさそうにも見えます。
それでもよく観察すると、明らかに消耗が酷いのも見てとれます。
因みにステップはフライホイールカバー兼スプロケットカバーを外す為に取ってあります。
(完全に抜き取るにはマフラーもずらす必要がありますが、作業に支障はありません)
”こういう状態”なのは1000kmほど前に認識はしていたので、
今回目の当たりにしたところでさほど驚きませんでしたが、
他のバイクでここまで酷い状態だとすると、
例えばCBR1000RRなどでは性能が出ないのは当然としても、
まともにすら走る事も困難で、場合によっては大変危険な程の消耗具合です。
カブについては危険云々という状態まではあと一歩という所ですが、
これでも普通に走る辺り、カブは本当に懐が深いのです。
どんなバイクでも距離を走るとそうですが、
チェーンが運んでくるオイルと砂などのダストでかなりの汚れが蓄積しています。
見事なまでのミルクチョコレート状ですね。
リアのド鉄のスプロケットも錆びております。
状態もざっと確認したので、
ホイールを外し、ドリブンスプロケットが取り付けてあるハブを外します。
続いてチェーンを抜き、ドライブスプロケットも外してしまいます。
ドライブスプロケットを外した段階で、必要な掃除を行います。
周辺の汚れは機能に影響がないので、する気全くなし。
ダストシール回りにはエンジンオイルでもよいのですが、
今回は耐熱シリコングリスを塗りました。
リアについても摺動部などは洗浄した上で、
ダストシールのリップにリチウムグリスを叩き込んでおきました。
ココで新旧スプロケット比較。
私の前のオーナーが農家のおばちゃんでありまして、
整備をしていたのは親戚の新聞屋という経歴なものですから、経緯が判りませんが・・・
メーター読みで【70,000km】を超えた状態でこれです。
写真では判りにくいかと存じますが、実物の消耗度合いは相当なものです。
フロントスプロケットは驚くほどの状態ではないものの、リアは明らかに限界。
一番酷い場所を写真に撮ってみました。
良い子の皆様はここまで放置しちゃダメですよっ。
削れすぎて尖っているのは勿論の事、一部は歯の先端が欠けていたりもします。
それでも流石はド鉄、消耗した後の強度的にも頼もしいものがありますね。
アルミに硬化処理を施した軽量スプロケットは、
硬化層があるうちは素晴らしいのですが、そこが消耗すると一気に逝きます。
NSR時代、そこまで使用したつもりのなかったAFAMのゴールドスプロケットが、
見た目では歯が尖っているわけでもないのにも係わらず、
ある瞬間にパワーをかけたところ、歯が「バババババッ」と6本ぐらい折れて飛びました。
あれ以来、スプロケットは鉄かそれに準ずるものが好きです。
レーサーではありませんので、その辺の重さや見た目などよりも安定性の方が大切です。
まずはドライブスプロケットから取り付け。
セッティングプレートとボルトは新品交換にしました。
驚いた事にボルトの緩み留めのカシメがない仕様だったので(パワー的に不要か)、
中強度のネジロックを塗布して組み付けました。
次はドリブンスプロケット。
セルフロックナットも新品交換です。
見た目は問題ないようにも見えますが、自身の管理下に無かった個体は交換が無難。
丁数は敢えて純正の14T:36T(F:R)のままにしました。
C70のカブはそれでも80km/hは出ますので、最高速に振らずとも不便がありません。
勿論、カブの命であるトルクはそのままで、どんなに重い荷物でも2人乗りでも大丈夫。
・・・と、ここでセルフロックナット絡みで妙な事に気づきました。
整備話の途中なので、詳しくは最後で書かせて頂きますね。
スプロケットを取り付けたらば続いてチェーン交換です。
取り付け、取り外しそのものは非力なバイクでお馴染みの”クリップ式”なので簡単ですが
チェーンそのものはNSR50やAPEなどでも使える汎用品なのでカットが必要です。
必殺!チェーン吊るし切り!!
吊るという行為は今回初めてやりましたが、丁度良い高さに屋根があったものでつい。
チェーンオイルは砂や塵をよく集めるので、地べたでやると始末が悪いのです。
その上、チェーンはその性質上一方向にしかクネクネしませんので取り回しが悪く、
どこかに引っ掛けて作業をしたほうがやりやすいのは確かです。
某用品店オリジナルチェーンカッターでピンを打ち出してゆきます。
ここで、チェーン交換経験がおありの方はお気づきかもしれませんが・・・
コレ”明らかに失敗か、おかしい状態”だったりします。
それというのも、使用頻度の低さゆえかすっかり忘れていたのですが、
私が持っているチェーンカッターは520や530というサイズ用のものなのです。
もともとNSR250R用に買ったものだったので、原付クラスは考慮されていません。
さりとて、420用のカッターを買いに行くのも面倒だということで、
愛と勇気だけでなんとかする事に。
上の画像の状態では、まずはピンを外側のプレートから押し出す所。
内側のプレートから反対側のプレート付近まで押し出すのには、
古いチェーンのクリップ接続用のコマを利用する事に致しました。
実に強引ですが、なければ無いなりに何か考えるのが人間ですよね(笑
古いチェーンの部品は再利用しませんので、ゴミの有効利用にもなります。
元々の100リンクのチェーンをカットしてゆくわけですが、
実は、対応表をどう見間違えたのか最初は”98リンク”だと思っていました。
C70のカブは本来”96リンク”なので、一度98にしてから96へ。
専用ツールの例外的な使い方なので、2度手間にするにはちょっと大変でした。
因みに、チェーンの伸びぐあいはこれぐらい。
左が新品、右が使用済み。
これだけ伸びるとチェーン引きの調整範囲は既に限界まで来ています。
伸び=ガタでもありますから、そういう意味でも大変ガタガタな状態です。
物理的に同じリンク数でこれだけの差が出るのは実に興味深いですね。
比較対象がいくらでもあるバイク屋ならぬ、
一般人の素人には時間の掛かる劣化は客観視し難いものです。
カットさえしてしまえばあとは簡単。
低性能バイクゆえにカシメタイプのチェーンではありませんので、
クリップでパチンとやるだけ。
チェーンの回転方向にクリップの閉じた方が向くように注意です。
加速度が掛かったときに逆だと抜けてしまいますので。
最後に、センタースタンド状態のまま主な部品を再度取り付けます。
リアブレーキのロッド、トルクロッド、シフトペダル、クラッチカバーなど。
途中、完全にカバーをするまえに車体を降ろして
スイングアームが沈んだ状態でのチェーン調整も忘れずに。
誇らしげな【 MADE IN JAPAN 】の文字。
まだ”メイドインジャパン”が神話だった時代の設計品です。
今や勤勉でも、真摯でも、誠実でもない人間が構成する社会が造り出した製品は、
結果として”日本製”の付加価値などは見る影も無いほど落ちぶれていますが、
(一部の有能な人間は依然として存在しますが、それはどの社会も同じですよね)
1950~90年頃までの技術と、人々の姿勢は素晴らしいものだったように感じます。
そういえば、B.T.T.Fでも日本製を褒めていたっけなぁ。あの頃が最後ですね。
その意味で、既に日本製に対する拘りはありませんね。
ちょっと意味が違いますが、
VTR1000-SPやNSR250Rのクラッチカバーなどに存在する【HRC】の文字も誇らしいです。
一通りの作業を終え、ボルトの締め付けなどを確認して作業完了。
あとはスタンドまでテスト走行に行きます。
と、ここで先述の”セルフロックナット絡みの妙な事”について。
実はHONDA純正部品の袋を開けて使う時になって気づいたのですが、
バイク用品店で小分けにしていた注文品袋の、入り数表記がおかしいのです。
私は【4個】注文したのですが、小分け袋は【×2】になっています。
でも実際には”4個”ちゃんと手元に受けとってあります。
『なんでだろ???』と部屋に戻り、財布の中のレシートを確認すると・・・
伝票上は【2個】になっていました。
すると私は、お金を支払っていないものを余分に受けとってしまった事になります。
ここで即座に『代金を支払いにいかなくちゃ!!』と思い立ち、
部品自体はは取り付けてしまったものの、
純正品番の入った空袋と、小分け袋、レシートを持ってバイク用品店に急ぎました。
たかだか数百円のものではあり、相手が間違っただけではありますが、
私の中で『得した』だとか『なんで自分が行く必要が』などとは微塵も考えませんので
むしろ『お店や担当者さんは困っているんじゃないかな』という意識の方が先立ちます。
これは、自動販売機に残された釣り銭の取り忘れでも同じですし
頼んでもいない商品が余分に袋に入っていた場合も全く同じ事です。
狡いこと、要領のいいこと、卑怯な事は大嫌いですし、他人の所為にするのも嫌。
そもそも、困っているであろう相手がいれば当然そちらが優先でしょうね。
というわけで、足早に(バイクですが)家から数十kmの用品店へ。
昨夜も行ったばかりなので妙な感じもしますが、
店内で先日注文時にお世話になった方を見つけると、事情を話させて頂きました。
最初こそ『クレームかな???』と慎重な対応をされておいででしたが、
私がお金を支払いに来たことが判ると一転、店員さんの方が恐縮されておいででした。
こちらとしても当然の事をして恐縮されるのも、これまた恐縮で(笑
お互いに低姿勢になりながら、恙無く支払いを済ませることができました。
ともあれ、これで晴れてセルフロックナットもあるべき場所に納まりました。
心なしかCUB70DXの調子もよい様な気分になりつつも、
50kmほどのテスト走行に出掛けます。
今まで極度の伝達ロスになっていた部分が適正化した事により、
自動遠心クラッチのカブにあって、加速方向も減速方向も圧倒的に感触がよくなりました。
あとは暫く走ったら初期伸びを考慮して調整するだけですが、
気になっていた事が見事に片づいてとてもいい気分です。
次の交換が何万km後になるのかは解りませんが、
これでまた、当分の間カブと仲良くやって行けそうです♪