癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

NHKスペシャル アジア巨大遺跡 第4集「縄文 奇跡の大集落」を観て

2015年11月10日 | 日常生活・つぶやき

 NHK90年記念スペシャル番組「アジア巨大遺跡」が第1集から第4集まで放送された。
 その中で、一番インパクトが強かったのが、録画しておいて今日見た第4集「縄文 奇跡の大集落」だった。

 その象徴として取り上げられていた青森の三内丸山遺跡は、これまでに何度か足を運んでいる。しかし、それを見ても、世界の同じ時代の古代文明であるエジプト文化、メソポタミア文化、中国文化、インダス文化などに比べて、縄文文化は狩猟採集中心の遅れた文化いうイメージは大きくは変わらなかった。

 しかし、この番組を観て、恥ずかしい限りだが、従来の自分の縄文文化に対するイメージが大きく変わった。それは、今この縄文文化が世界の専門家の注目を浴び、高い評価を受けているということによる。

 世界が注目することは、その持続性だそうだ。本格的な農耕を行わず、狩猟採集を生活の基盤としながら、1万年も続いていたのは、世界に類の無い独特の文化だそうだ。どこの文化も早い時代に狩猟採集から農耕へと移行しているが、縄文文化の場合は、その必要がないくらい上手に自然と共存し、多くの人口を養うくらい豊かだったという取り上げ方だった。三内丸山では、栗が栽培されていて主食に近い食料だったらしい。また、芸術性の高い土器や神秘的な土偶、数千年を経ても色あせぬ漆製品など、縄文人の洗練された豊かな暮らしぶりも高く評価されている。

 ただ、三内丸山遺跡一つを見て、それで縄文人が巨大集落をつくって持続可能な生活をしていたと結論づけるのはいささか早計過ぎるのではないかとの思いも残った。今後、調査や研究が進むにつれて、もっと新しい発見があるはずである。

 いずれにしても、今アイヌ文化も同じように見直されているが、真の豊かさとは何かを問われてきている現在、ナビゲーターを務めた杏さんの最後の「10年、20年、100年じゃない、もっともっと先のことを考えて、直接生きている間に会えない人のことをちゃんと今から考えて、未来に向けた現代を生きていかなければいけないと受け取りました」というコメントには共感できるものがあった。

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