癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

中天狗(1317m)

2011年06月23日 | 登山・旅行
夕張山地の北西部に位置する鋭峰で「ちゅうてんぐ」と読むらしい。奥深くあまり人目に触れることのない秘峰。

この山を意識したのは、昨年の春に山スキーで登った御茶々岳や松らい岳から見たときだった。情報もあり、沢岸に踏み跡らしきものも見られたことからもマニアックな山ヤには知られた存在のようだ。ちょっと冒険だが、単独でもやれそうと温めていた山でもあった。

富良野市と芦別市の境界となっている尻岸馬内川からの北面直登沢がルート。この時期はその沢に雪渓がびっしりと詰まっていて、それを利用できるとのことで挑戦することにした。

沢歩きと急な雪渓登りに備えて、スパイク長靴にピッケルにヘルメットの出で立ちで、足には長靴に水が入ってもいいように沢用のネオプレーンの靴下。

天気予報から午前勝負と、3:30尻岸馬内林道ゲートをスタート。林道終点まで6kmの歩きの末に本流に入渓。北面直登沢は、標高差約600mのほぼ一定の急斜度が最後まで続く一本沢だった。

その内、雪渓は標高850~1150mの間。斜度は40度ほど?まっすぐな沢なので滑落したら止まらない。下を向くのも怖い。一度も練習もしたことのない滑落停止の方法をイメージしながら慎重に登る。ピッケルなしではとても登り下りできなかった。

1150からは、沢型が消え、灌木とピッケル頼りの急な登りが続く。這うようにして登って手を伸ばしたところに熊の糞・・・。頂上直下は、一面咲き始めたばかりの今年初めて目にしたシナノキンバイの大群落を中心に、シラネアオイ、オオバイケイソウ、ハクサンチドリなどの花畑が広がっていた。

三角点の設置された頂上は意外と広く、鹿道兼踏み跡が広がっていた。一番先に目に飛び込んできたのは、鋭く尖った夕張中岳、その手前に小天狗と呼ばれ2つのピーク。その左奥の芦別岳は頂上は雲の中だったが、北尾根と夫婦岩は見えていた(画像)。

昨年の春にこの山を眺めた御茶々岳は見えていたが、松らい岳と極楽平や布部岳は雲の中。西側の直ぐ近くには恐竜の背骨のような崕岳・・・それらの展望をおかずに手作りおにぎりの朝食。

まもなくガスが広がって来て視界が限られてきたので下山開始。上の草付き斜面も雪渓もピッケル頼りで慎重に下る。命の心配がなくなった本流に出たら一気に緊張が解けた。

林道終点から直登沢出会いまで、登り55分、下り45分。直登沢出会いから頂上まで、登り1時間55分、下り1時間05分。林道歩き、往復3時間・・・トータル、登り4時間20分、下り3時間20分。

はっきり言って、単独では厳しいかも知れないと思っていた1ピークを手に入れて大満足!昨日と同じハイランドふらのの温泉で汚れを落とし、生ビールで祝杯を挙げて、このブログを打つ。

明日は雨予報。天気の良い土か日に利尻山再訪で今回の山旅の打ち上げにする予定。これから旭川まで走って、コインランドリーで洗濯をし、道の駅に泊まる予定。
《追加画像》
1、沢の途中で頭を見せた中天狗
2、沢を覆うデブリ
3、両側に門柱のように切り立つ岩壁に挟まれた北面直登沢出会い
4、標高差300mも続く急な直登沢に詰まった雪渓
5、頂上直下のシナノキンバイの群落







6、頂上直下に咲くオオバイケイソウ
7、直ぐ西隣に聳える恐竜の背中のような崕山


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ちゅうてんぐ (赤ワイン)
2011-06-23 19:49:38
へー、ちゅうてんぐ、でしたか。
当たり前のように「なかてんぐ」と呼んでいました。
自分には、北の峰から芦別本峰への縦走中に立ち寄ったのが唯一の足跡です。
80年前後のことですから、もう30年も経ってしまったのくぁ~~~っ!
返信する
赤ワインさんへ (管理人)
2011-06-23 22:13:31
ちゅうてんぐ・・・こういうことに詳しいあまいものこさんが、わざわざルビをふっていますので、間違いないでしょう。小天狗が隣にありますが、大天狗はその奥の中岳か?

北の峰からこの山に寄って芦別本峰までの縦走。随分大回りてすね。若かったのですねぇ・・・。
返信する

コメントを投稿