つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

58歳と7ヶ月。

2021年02月16日 | わたくしごと
次にどんな作品を求めるか?

それはお客様方だけでなく、画商にも常に与えらている課題です。

そして。。私にも。

「一番勉強になるのは自分で絵を買うことだ」と先輩の画商さんにも佐橋にもよく聞かされて参りました。

確か一番初めに自分のお小遣いで求めたのは梶田半古のお雛様を描いた作品でした。


それから少しづつ色々な絵を求め、勿論自分のお小遣いの範囲ですので、上限は決まり、またいくら佐橋を脅しても、逆に甘えても💖なかなかお値引きをしてくれないので💦慎重に自分の好きな作品を探して参りました。

一番難しいのは、「本当にその作品が好きか?」ということだと思います。
沢山の作品を見れば見るほど、案外その「一番好き」がわからなくなってしまうことが多いように感じます。



みなさんよくご存知のように今私が所蔵している作品は



この正面の金山の冬の海岸と











気がつくと人物ばかり。
結局画家が人間をどのように見ているか?私はとても気になるのだと思います。


さて、次回は人物以外の作品を求めてみようと思っています。






小林古径の素描「柿」ともう一つ。

できるのなら、村上華岳の椿が欲しいけれど、予算的にとても手が出ません。



そして、自分で作った当店のHPを何度も見直しています。
















良い絵は写真には写らない。

それも確かですが、良い絵は写真に写っても良い。

それもまた真実だろうと思っています。




将来大金に化ける作品を追う必要はありません。
ただ宝石やバッグやお洋服を買うように、美術品を買えば良いのです。あっ!宝石やバッグは案外将来大金に化ける可能性がありますね💧


何よりも大切なのは、私が日々その作品を見て飽きないこと。
私より「うわて」な絵であること。
そして見ていて楽しくて、ワクワクドキドキする作品であることです。



大変俗っぽい考えですが、その求めた作品の中で一点でも子供達や孫達、あるいは私を知る人が「あぁ、夏美さんってこんな人だわ。こんな人だったわ。こんな風に感じたり、考えていたりしたのねぇ」と感じてくれる、思い出してくれる作品だったら最高だなぁ〜と思えます。ま、そう感じることがない作品、また私を思い出す必要もないのなら、そのあと勝手に売ってしまってくれればいいのですけれど。。そして「なんだ、こんな安い物を残していったのかぁ。」と息子や孫にビックリして貰えば、楽しいのですけれど😊😊


うわてである。
というのは、私はきっと一生そこに立てないなぁ、と思える位置にいる画家であること。
青木繁でも、長谷川利行でも、山下清でも、ゴッホでも、ユトリロでも誰でもいいのです。

世の中や人間や風景をその画家の位置から、きちんと絵として見せてくれる作品。
その位置は私と全く違う系列にあるのでなく、自分の延長上の憧れの位置である事も大切だと思います。








結局、今の私にはこの2点かな?と思っています。

梅原は晩年フランスやハワイに長期滞在をして絵を描いたそうです。

梅原のこの作品には、日常の「厄介」「煩わしさ」を離れた、自由な心、絵を描く事への愛情がよく感じられると思っています。

そして、赤や緑ではなく、青にこそ梅原の揺れる心が現れている様に感じられるのです。


なんだかとってもお寒くなりました。
雪や吹雪の具合も心配です。どうぞ、皆様お気をつけて、できるだけ暖かくお過ごしくださいますようお願い致します。


















コメント (6)
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