展覧会の準備を進めさせていただいています。
「裸婦」は油彩画において、特に近代日本洋画において大切なジャンル、画題だと思えますが、最近ではお客様にその作品をお求めいただいていない印象があります。
それは、佐橋美術店だけのことかもしれず、その理由のひとつに「夫婦で営んでいるから」ということが挙げらるのかもしれませんが、あんなに素敵だった寺萬の裸婦をお客様にお納めできなかったのは、日本近代作品をあつかう当店としてなんたること?と、今も残念に感じています。
秋になると、金山の「くろぶな~」とともに、どうしても飾りたくなるのがこの森の「赤い部屋」です。
秋は大腸と肺が活性化される季節。春と同じようにアレルギー反応が顕著になるのも、乾いた空気に「悲しみ」の感情が増すのもすべて自然の摂理だと思えます。
そして、その感情に応えてくれるように赤とんぼ、赤く色づく葉や実、美しい赤が私たちの目と心に小さな灯を灯してくれるのですね。
「具象と抽象の間に」森芳雄という画家の存在があるのではないでしょうか。その「狭間」という世界に、卓越した描写力で人物の存在感を追い求めた画家が森であったと思います。
この画家に対する温かみの発見は、私にはなかなか難しいものでしたが、「少し大人になれたかな?」と思える今は、唯一当店にあるこの森作品がさらに恋しく感じられています。
この作品については過去にも何度もかかせていただいていたつもりでしたが、たぶん他の作品の納品の加減で記事がすべて削除されていましたので、あらためて今日書かせていただくことにいたしました。
今回の無眼界展にも飾らせていただきます。
男性は、女性に対し、男性本来の心を過剰に隠そうとすることがあると思います。それは、男性に対する女性も同じことなのですが、この裸婦ならきっと、ご家族のみなさまに愛していただけると一応女性であるわたくしは、そう思っています。
ご参考までに。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます