つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

お便り

2018年09月11日 | お客様よりのお便り

週末にはまたとても嬉しいメールをお客様より頂戴致しました。

しばらくお便りをさせていただいておりませんでしたので、私から投函や送信をさせていただくと目の不調でお苦しみの中、丁寧なお返事をお送りくださいました。

以前にもご紹介させていただいたかと存じますが、このお客様は主に画家の書簡をお集めになられていらっしゃるコレクターさまで、そのご見識も広く、それでいらして大変謙虚なお方で、いつもとてもお優しい内容の、そして大変美しい文章のお返事をお送りくださいます。


また、私の無理なリクエストに応えて、ご所有のお作品、各作家の書簡をメールでお見せくださいます。


以前、村上華岳の小さな素描と書簡をお見せくださった際にも「あぁ、華岳の文字だ!あぁこんな小さな挿絵にも華岳が生きている‼︎」ととても感動致しました。

感動という意味では、例えば何千万もする華岳の仏画を鑑賞すれば自ずと深い感動を味わうことができるだろうと思うのですが、

この書簡を拝見した場合の感動は、またこれとは違った種類のもので、どういうわけか、後から後からジワジワと心に沁みてくる。。いえ、違いますね。。後から後から心から湧いてくる感動とお伝えしたほうがいいのかもしれません。。そういった感動が、はじめの感動と少しづつ違って現れてくるのです。


「温かいもの」をお腹に抱えていられる喜び。

目に焼き付いた、例えば華岳の文字が頭からもう離れず、事あるごとにお守りにように幾度も私を救ってくれます。




このお客様は、今回速水御舟の書簡を私にご披露くださいました。

画家中島菜刀に宛てたお手紙です。

この画家の作品に触れ、作品を評価、御舟独特の情熱を込めて、この画家に頑張って欲しいと励ましの言葉を重ねています。

その中に、今の私にとても響く言葉を見つけさせていただきましたので、ここに抜粋させて頂きます。


「善き芸術を生む人はよく自己の生活を噛みしめて居る人に多い様です。

自己を発表することより自己を見つめることが多いときは、本当の力が生るると存じ、またこの「鶏園の図」(中島菜刀の作品)には少しでも貴君だけが知って居る、亦は感じているといふ事が含まれている、これが大きな価値ではないでせうか」


御舟らしいストレートな言葉、しかも31、2歳の若さでありながら芸術の本質を既に感得していたのだということに驚きを覚えます。





このお客様に頂いたメールの内容の続きもまた後日ご紹介させて頂きたいと存じます。



※ お客様ご所有のお作品につき、作品画像を省略し掲載させて頂きました。

ご覧になりにくいかと存じますが、ほんの少し御舟の文字の趣を皆様にもお楽しみいただきたく存じます。

ご所蔵先のお客様、このような掲載をさせて頂きますことどうぞお許しくださいませ。

1週間ほどで画像を削除させていただきます。








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