昨日の雨はやみ、今日は晴天となりました。でも、風が強い。しかも冷たい風が時折吹きます。
先週も日曜日に店に出て来たのですが、今日の方が店の前の人通りが多く感じられます。
よく薫の描く「馬」は薫自身と言われます。
その実物の存在から言っても、牛より馬の方が断然美しいのですから、作品のストーリーとしても馬の登場は大変有利だと思います。
けれど、よく作品を鑑賞してみるとその馬にも、実に色々は描き方があるのに気がつきます。
今回の展示作品のうち、馬が描かれている作品は4点あります。
当店にいらっしゃるお客様がたは普通ショーウィンドウを覗かれてから、扉を押してエントランスに入られ、そして自動ドアを通過されてギャラリーの中に入っていらっしゃるというコースを取られるのですが、今回の山口薫展については特に、このギャラリーに入られるまでにみなさま相当のお時間をかけられていらっしゃる印象があります。
それぞれご覧になる作品は違いますが、多くがこの上の画像の作品の前、エントランスで長く時間をかけられます。
小窓からそのお姿を拝見し、ギャラリーでお客様をお迎えする準備をする私は〝あら?帰られてしまった?〟と思うほどです。
不安になって、ちらっとエントランスを覗くと、お客様はきちんと作品をご覧になっていらっしゃる。そして、しばらくすると、「いいなぁ〜」と言いながら自動ドアからお入りなり、黙ってそのほかの作品をご覧になり始めるのです。
きっと、エントランスに入られるまでに御覧になられた作品を「最高!」とお思いになられながらギャラリーに入ってこられるのでしょう。
けれど、そうはいかない。。それが、弥栄コレクションの厚みです。
多くの方は応接室に入られるまでに必ず一度は「う~ん」と唸られるのです。
馬は他にも、
既にお約束をいただきましたが、
があります。
確かにどれも画家自身であるのでしょうけれど、そしてどれもレベルの高い作品だと思いますが、どの馬をお選びになるか?はとても難しい問題。
ご予算のことも含め、全てお客様次第です。
結局、作品をお選びになり、お求めになり、お手元に作品を置かれたその瞬間から、もう馬は薫ではなく、お客様自身になられるのです。
何を求めて美術品を集めているの?と自問自答すれば、薫の作品はその全ての答えを用意してくれているように感じます。ですから、ご自分の為に山口薫の作品をお選びになることはとても難しいことだと思うのです。
15F 「親馬と仔馬」 油彩 1961年 東美鑑 画集掲載
10F 「月と馬の結婚」油彩 1959年 東美鑑 画集掲載 展覧会出品作
6F 「太陽と馬」 油彩 1963年 東美鑑 画集掲載
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