つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

出会い

2024年03月18日 | 日記・エッセイ・コラム
この一か月は久しぶりに「お勉強」をしました。

勿論鳥海のことでしたが、鳥海のことを調べていると「岡鹿之助」や「海老原喜之助」の文字をよく目にすることがありました。

同世代ということのほかに、この作家たちの作風はいずれも個性的、魅力的で私のなかでなかなか同じ「括り」にすることができません。

勉強することは山のようにあるなぁ~と思いながら~






ときどき休日用に自宅に持ち帰る本に、先日は岡鹿之助の古い図録を選びました。若い時から「岡鹿」は憧れの画家です。






最近は画家自身のお姿を写真で見るだけで、なんだかその作品の実力のほどがわかるような気になっています。

この図録はデパートで開かれた展覧会の為に編纂されたものですが、この画家の写真とともに、そこに寄せられた文章に大変なショックを受けました。



「ご覧なさい」ではじまり、全てに隙のない、しかも簡潔な文章。
また内容が大変深く、豊かで、私は驚きと感動で涙を流しながらこの文章を読みました。

今泉篤男さん。

多分皆様はよくご存じのお名前だと思いますが、お恥ずかしながら私はこの方の文章に今まで触れた記憶がありません。

この図録の岡鹿之助に対する文章、ほんの2,3ページの文章に、大変感動して、感動というよりとてもショックを受けました。

私がコツコツとやりたいと思っていたことをこんなに見事に、作家の生い立ちやその技法、美術史的意味を専門的に網羅しながら廣く、深く、そして何より美しい文章を書かれる方がいらしたのだとこの一、二週間を呆然と過ごしました。

言い訳になりますが、いつもに増して、ブログを書く手が止まりました。
そして、書いても心ここにあらずの文章になりました。



何もこんな時期に更にズタボロにされなくても~( ノД`)

いや待てよ。。この文章に感動できる私がここにいるぞ。
こんな高みに自分をもっていけるなんて端から思っていないはず。身の程は知っている。。



10日ほどはかかりましたが、ブログに関しては何とか立て直しをしたいと思い始めました。

そして、逆に味方につけよう!目標にしよう!と




早速著作集を取り寄せました😅




佐橋の居ない辛さにこの店を畳もうと常に考えながら、「知りたい」という思いを捨てきれず、鳥海青児作品を弥栄さんに並べていただいたり、本棚に貯まった美術年鑑を束ねて捨て、今ここに新たな著作集を並べてしまう自分。

薄々知っていた自分の卑怯さにこの十ヶ月間、私は嫌というほど向き合わされています。

そして、その卑怯を佐橋に今更責められているのかな?と思うと、それは私だけが受け止めることで、泣いてばかりも居られないと思えるのです。
真に支離滅裂とはこの事です。




さて、この著作集のどの画家に対する評論から私は読み始めたでしょうか?

掲載の作家名をズラリと並べてみなさまへのクイズにするのも面白いかもしれません。


過去に図書室の本を万引きされかけた事もございますので、ちょっと敏感になっておりましたが、お通いくださるお客様には本を貸し出させていただく事も出来ます。
よろしければお声掛けください。

お彼岸も桜も、少し気重ではありますが、皆様と同じように諸々を抱えながらまた明日から仕事をさせていただきたいと思います。

みなさま、よろしければお遊びにお立ち寄りくださいますようお願い致しま
す。





















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名古屋城

2024年03月18日 | 日記・エッセイ・コラム
先週、久しぶりにお能でも見ようかとパンフレットをいただきに、名古屋城近くの能楽堂まで自宅から歩いて出かけました。

久しぶりのお散歩です。

残念ながら、お能も狂言も近くの公演はないようでしたが、「歩く」こと自体がとても良い気分転換になりました。

名古屋城は、ちっとも変わらずそこにありました。



新装オープンを楽しみにしているお堀端の名古屋キャッスルホテルの建て替え工事は、びっくりするほど進んでいました。

桜が咲き始めれば、この辺りはお花見の人々で賑わうでしょう。

今年の桜を見るのはどちらかというと少し憂鬱ですが、熊谷守一が言っていたように「西洋種に比べて日本の花はパッと咲いて潔く散るのが魅力」その時間の流れを信じていたいと思います。

お散歩は続けたいと思いますが、出不精の私は一歩家を飛び出すまでが大変です。
まず目の前にお食事か?お買い物か?人参をぶら下げることから始めようと思います🥕




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