佐橋美術店の営業がレンダーに、週に何日か🟢店内作業日を設けさせていただきました。
事務仕事は勿論、各種手続きに来ていただく、逆に私から伺う場合の時間の確保、倉庫内のお客様にお納め予定の作品のチェック、法人さまからお預かりしている作品のチェック、この夏の間に手放す作品の整理など、1人で行わなくてはいけない作業が増えましたので気持ちの切り替えの為にも、お客様をお迎えする日を限らせて頂くことに致しました。
昨日は佐橋の法要の為に集まってくれた私の弟と息子に手伝ってもらい、大きな作品を倉庫から運び出す作業を終えることができました。作家さんにお届けする予定です。
少し倉庫を整理するとすぐギャラリーが作品と箱でいっぱいになります。
その箱の中に、金山平三の秋の十和田湖を描いた作品、「くろぶなに山葡萄」を見つけ、もう一度作品を見てみることにしました。
今までも何度か機会がありながら市場に手放さずにいた作品です。お客様にはなかなか振り向いていただけない、売りにくい作品である事は十分承知でありながら、2人で長く持ち続けて参りました。
今、ひとりになってみて、あらためて眺めていると、やはりこれは金山だけが描ける作品だ、名品だなぁと思えてきます。
何が描いてあるかを一生懸命探すより、燃える秋🍂を画面全体で味わった方が感動の深さが増すのだと、今まで長く眺めてきたからか?或いは今の私の心がそう思わせるのか?兎に角、また今までとは違う感じ方になりました。
そういう全体を捉える目で金山は自然に身を置き、この絵を描いたのだろうと思えるのです。
ふと考えるのです。佐橋と私が逆の立場になっていたら、そして作品をどうしても幾つか手放さなくてはいけなくなった時、佐橋はどのような順に作品を選択していくのだろうかと。
きっと、結局、私と同じように、佐橋も自分のすきな、良いと思える作品を残していくのだろうなぁ、もう私たちが2人揃って相談しながら処分する作品、新しく仕入れさせて頂く作品を決めることは出来ないのだから〜
そう悲しくなる時と、いやきっと最後に残してゆく作品は2人ともに同じ!そう思える時が順にやってきて、そして結局、後者、2人で残していく作品は同じ!に軍配をあげるのです。
「流れに逆らわない」それを今、私の周りにいてくださる方達と目の前にいなくなってしまった佐橋が強く私に教えてくれているように思います。
やっと、私も、皆様の温かいお気持ちを感じられるようになって参りました。暗い穴蔵から顔くらい出せているかな?
「絵を感じられる幸せ」をこれから時間を惜しみながら、ゆっくりと味わい、取り戻していきたいと思います。