つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

アーティゾンミュージアムさん

2020年03月25日 | おススメの展覧会、美術館訪問
日曜日、名古屋にお住まいのお客様より「東京に向かっています」というメールを頂戴致しました。

新幹線の中から撮影してくださった富士山🚅3月にしては頂きに雪が多いようです。

前日にアーティゾンミュージアムさんに予約をお入れになったということでしたので、
美術館を訪問された感想を後日お聞かせくださるようにお願いいたしました。


昨日このお客様からお葉書が届き、感想をお聞かせいただけましたし
丁度佐橋も上京のついでにミュージアムに伺って写真を撮らせていただけましたので、
お客様のお便りの文面に合わせてご紹介させていただこうと思います。




桜の季節となりました。
ブリヂストン美術館が建て替えの為に閉館し、もう4−5年が経ったでしょうか。
近くを通るたびに眺めておりましたが、かなり高いビルを建築していました。

私の誕生日、1月に開館。




アーティゾンミュージアムと名を変え、新ビルの1〜6階に開館。

一階はレストラン、二階にミュージアムショップ、三階が受付。

ネットで予約をとり入場料(1100円)を予め支払います。携帯でQRコードを提示して入場。

エレベーターで6階へ。





6−5−4階と鑑賞しながら下ってきます。

Part 1 アートを広げる















Part 2 アートをさぐる(装飾、古典、原始、異界、聖俗、記録、幸福のタイトルによる展示)















タイトルと絵画の関係が今ひとつよくわからないところがありました。
また、外国作家も日本人作家の作品がゴチャゴチャに、おまけに日本画まで一緒に飾られていて
個々の作品を楽しむといった感じでした。
先日のコートールド展に比べてしまうと特に外国作品のレベルはどうかな?と思いますが、
昔懐かしいいくつかの作品に久々にあえ、よかったと思います。
予め予約し、お金を支払っておいて出かけるというのは、
①鑑賞者が少ない②ゆっくり見られるという点では⭕️ですが、思いたったときに空きがないことには出かけられない
(見たい時が美しいときなのだが。。)のは多忙な中で美術を楽しみたい人にはどうかな?という感じです。











佐橋も
まず立派な建物に圧倒された。
作品が外国作品、洋画、日本画の分類なく飾られているので見方に慣れず、躊躇した。
慣れてしまうと、これが新しい美術館の姿となるのかもしれないが、その意図について
一度学芸員の先生方に案内をいただいたり、解説の会などに参加する必要があるかもしれない。
と言っておりました。








このお客様のお便りの内容は、私がこの美術館に伺ってブログを書かせていただくより、情報に正確で、印象にとても的確だろうと思えました。皆さまにも、ご参考にしていただけたかと存じます。






お客様、ご協力、誠にありがとう存じました。

東京に更に強い警戒態勢が引かれ、美術館もしばらくお休みになるかもしれません。

せめて今はこのページを訪問前の下調べとしてお楽しみください。








コメント (5)
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椿

2020年03月25日 | 日記・エッセイ・コラム
長く楽しませてくれた自宅の椿が見納めの頃となりました。

お正月の佐橋の父のお命日の頃に蕾を沢山つけ、
2月の東京の父のお命日の頃に初めて花を咲かせるこの椿の木は、
3月のお彼岸の頃には全ての蕾を無駄なく咲かせきりました。





私が手折った椿の蕾は、花を咲かせることなく終わってしまうのですね。













この3ヶ月の間の椿の色々な表情に、多くの画家の椿を思い出させてもらいました。

御舟、古径、靭彦、、、






桜は散り際が美しく、悲しみを誘いますが、椿はその散り際に
命の「強さ」をいやという程私たちに見せつけます。

ある種の「醜さ」も見て取れる気がするのですね。





徳岡神泉の初期の代表作である「椿」は、椿のそんな強さ、醜さをも全て受容し、描かれているように感じています。

よくこの時期の神泉の作品に「妖艶」という言葉を重ねて味わいますが、

この命の「妖艶」を自分の人生に実感して、こうした芸術作品を感得すること自体が大変難しい時代になってきてしまったように思えます。



身近にさく花をじっくりと眺め、色々な絵画に想いを馳せる。

日本画は人生の深まりを楽しませてくれる、そんな素晴らしい伝統文化であると信じています。




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