研究ノート
二 ・二六事件北 ・西田裁判記録 ( 一 )
松本一郎
一 はじめに
二 二 ・二六事件北 ・西田の検挙
三 捜査の概要
1 捜査経過の一覧
2 身柄拘束状況
3 憲兵の送致事実
4 予審請求事実 ・公訴事実
四 北の起訴前の供述
1 はじめに
2 検察官聴取書
3 警察官聴取書
4 予審官訊問調書
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( 以上第38号 )
・・・前頁 二 ・二六事件北 ・西田裁判記録 ( 一 ) の続き
1 はじめに
公訴提起前の西田の供述を録取した書面としては、
まず西田を検挙した警視庁での三通の聴取書があり、
ついで移送後の東京憲兵隊本部における六通の聴取書がある。
検察官の聴取書はないが、
予審官の訊問調書は詳細を極め、
調書の数が多いばかりでなく ( 七通。ただし、うち一通は勾留訊問調書 )、
その分量も北のそれと比較にならぬ程度長大なものになっている。
捜査当局がかねてから蹶起将校との接触があった西田をいかに重要視し、
事件のキイ ・パーースンに擬していたかを窺い知ることができる。
起訴前の記録の最後には、
予審訊問終了後に伊藤章信法務官 ( 予審官であり、かつ軍法会議の裁判官を勤めた ) に提出された
西田自筆の 「 手記 」 ( 「陳述補遺 」 という副題がついている ) が編綴されている。
西田の当時の心境を知ることのできる、貴重な資料である。
西田の憲兵聴取書は、警視庁での下調べを経ていることもあってか、北のそれよりも詳しい。
しかしその内容は前述のようにすでに明らかにされているので、ここでは紹介を省略する。・・・(1) 「 秘録 」 第一巻345頁以下
なお、憲兵聴取書のうち、第五回分の作成者は陸軍憲兵大尉大谷敬二郎、
その余の作成者はすべて陸軍憲兵少佐福本亀治である。
獨協法学第39号 ( 1994 )
研究ノート
二 ・二六事件北 ・西田裁判記録 ( 二 )
五 西田の起訴前の供述
目次
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2 警察官聴取書
(一) はじめに
(二) 昭和一一年三月八日付第一回聴取書
(三) 昭和一一年三月九日付第二回聴取書
(四) 昭和一一年三月一〇日付第三回聴取書
3 予審訊問調書1
(一) はじめに
(二) 昭和一一年四月一六日付被告人訊問調書 ( 勾留訊問調書 )
(三) 昭和一一年五月二八日付第一回被告人訊問調書
(四) 昭和一一年六月二日付第二回被告人訊問調書
(五) 昭和一一年六月六日付第三回被告人訊問調書
3 予審訊問調書2
(六) 昭和一一年六月一二日付第四回被告人訊問調書
3 予審訊問調書3
(七) 昭和一一年六月二六日付第五回被告人訊問調書
4 西田の手記
(一) はじめに
(二) 手記の構成
(三) 「 第一 改造理論ニ就テノ一考察 」
(四) 「 第二 『 二 ・二六事件 』 ニ對スル立場ニ就テ 」
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( 以降第40号 )
・・・次頁 第40号 二 ・二六事件 北 ・西田裁判記録 ( 三 ) に 続く