上海市の郊外に、安藤忠雄設計の上海保利大劇場(上海オペラハウス)が今週の9月30日(火)に完成しました。おりしもその日、上海に滞在していた私はこんなチャンスはないとこの劇場にアポもとらず向かいました。
上海保利大劇場は、湖の傍らに位置し「水景」を積極的に取り入れ、「水景劇場」と称されます。“万華鏡”と称されるその独特の安藤忠雄デザインから、新たなアートスポットとして注目を集めるものと予想されています。
総面積は3万6500㎡。席数は1466席を有し、交響楽、オペラ、ミュージカルなどの公演が持たれます。投資額は7億人民元(一元=18円として126億円)。
昨秋にオープンした我が三河田原駅の設計が安藤忠雄事務所であるだけに大いに親近感を持ち、何としても最新作を見てみたいと押しかけたものです。が、なんせ当日はオープニングの日。騒然としており自由内覧など儘なりません。
すると同行していた中国人の通訳(昆山市職員)が、機転を働かせて私のことをこう劇場のスタッフに伝えたのです。「この方は安藤忠雄先生の友人です。今日が完成日だと安藤先生に聞いてわざわざ日本から駆けつけました。ぜひ劇場の中を案内してあげて下さい」。
この策略(?)が功をなし、女性スタッフが内部をしっかり案内してくれたのです。オープニングという歴史的な日に、何とも心楽しい出来事が持てたものです。