写真:「復元された伊藤博文の別邸」
一昨日、横浜は金沢文庫、金沢八景の地を訪れました。なかなか行く機会のなかった景勝地ですが、友人の石井洋一金沢区長からの招聘で足を運びました。大いに楽しみに出かけたものです。そして結果は期待したとおりでした。
風光明媚な野島からの海の風景もさることながら、源の頼朝の建てた瀬戸神社、北条政子の造った琵琶島神社、伊藤博文の別邸など、鎌倉から近代にいたる旧跡を擁していたことに驚かされました。まるで日本史そのものの舞台といってよく、こうした地域性を殆ど知らなかった自分の不明を恥じ入ったものでした。
そんな金沢区で、何よりも触発されたプロジェクトがありました。一昨年から金沢区が、地元と一緒になって進めている「マイタウン金沢八景」プロジェクトです。金沢の魅力を知る住民と、商店街、そして大学(横浜市立大学、関東学院大学)が力を合わせ、魅力的なまちをつくっていこうとの取り組みです。
キーワードは「大学」です。「大学のある金沢のまち」をキャッチコピーに、若い学生達の勢いと、点在する幾つもの歴史遺産を取り入れて、知的イメージアップによるまちおこしを計ろうとするものです。八景島シーパラダイスへ通過するだけの観光客の足とめ、授業が終われば散って行ってしまう学生たちを根付かせようとの算段です。
この日は、石井金沢区長らに案内されて、このプロジェクトの活動拠点を訪れました。八景の駅から一分の建物の2階にあるこの拠点は、「さわさわ」と名付けられています。
①金沢の「沢」②爽やかの「爽」③海や山の音「さわざわ」の3つを取り込んだとのことでした。
内装は学生たちの手作りですよ、と楽しそうに説明してくれたのは、中心メンバーのシティガイド協会の宮崎一雄理事長です。こじんまりとした一室ですが、これからまちの元気を何としても作り出していくぞとの気迫が漂い、快い緊張感を味わわされたものでした。
金沢区は、このPTを地域経済元気づくり事業として位置付け、一定の財政的支援を行っています。しかしいつまでも行政の支援が続くものでもありません。そうした経費負担の今後の工夫を含め、この金沢八景の試みは新鮮で、大いに関心をそそるものでした。