嶋津隆文オフィシャルブログ

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新政権の「地域主権」には魂が入っていない

2010年03月06日 | Weblog

写真:「移転先が迷走する普天間基地」

「父さんのブログは硬くて、長くて、理屈っぽくて、読むのは大変だよ」。こう娘に言われながら、今日のブログもその域を出ないようです(笑)。

昨日、鳩山政権は「地域主権」改革法案を閣議決定しました。国と地方の関係を上下から対等にすること目し、国と地方の代表者が「地方自治に影響を及ぼす国の政策の企画・立案・実施について協議する」場を作ろうというものです。

「地域主権」は民主党のマニュフェストで謳われたようですが、以前から多くの自治体の首長が口にして来ており、政治指標としては大いに歓迎されるべきものです。地域のことは地域が決める。国のひもつき事業に翻弄されない。こう欲している自治体にとって、当然の改革といえるからです。

しかしそれにしては、この間の民主党政権の地方自治体に対する姿勢には大きな疑問があります。口先だけで魂がなく、実は地方軽視の体質を持っているのではないかということです。

今朝の新聞にも、普天間基地の移設問題で、沖縄の仲井知事の怒りの発言が紹介されていました。「官房長官に会う時間も頂けない。沖縄に説明しようとしない。もし政府がこのまま決定し、押し付けてくるなら(県内移設に)反対せざるを得ない」と。

平野官房長官は、1月の辺野古移設反対派が勝った名護市長選挙でも、その結果を「斟酌する理由はない」と言い放っています。そういえば前原国交大臣も八場ダムに関し、地元の知事や首長に相談もなく、突然に中止を宣しました。

こうした姿勢を見るとき、我々世代は成田空港問題を想起しない訳にはいきません。当時の佐藤内閣は、富里地域を一旦予定地としながら、突然に三里塚・芝山地域を決定しました。地元の意向を聞くことなく、千葉県知事にも事後連絡だったと言います。その地元軽視の姿勢が流血の惨事を招き、今日まで続く悲惨な歴史を作ったのです。

日米で合意されていた辺野古移設を、政治主義的発想で御破算にした鳩山政権。このままでは佐藤政権と同じ過ちを起すのではないかと不安です。「地域主権」を叫びながら地元無視を重ねる姿勢は、誠実さのない、口先だけの地域重視と思われても仕方のないことです。


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