写真:田代島「にゃんこ・ザ・プロジェクト写真館」より
東日本大震災から3カ月。地域の復興計画が進まないのも、例えば堤防の高さや都市計画での政府方針が決まらないことが原因と、11日のNHK特集では強く糾弾していました。
そんな政府の無策の隙間を縫う様に、多くのボランティアが現地に足を運び、復旧の手伝いをしています。その一環として松蔭大学でも、学生たちが教師と一緒に昨夜の夜行バスで石巻市に向かいました。
行き先は、田代島で人口95人。NHKの人気人形劇「ひょっこりひょうたん島」の舞台になったところで、島民より多い100匹以上の猫がすみ、「猫の島」としても有名です。
人命被害は少なかったのですが、8割が65歳以上でなかなか復旧が進まない島です。ボランティアは、各家への水・物資の運搬、がれきの撤去や草刈り、そして猫の世話。活動期間は日曜までの5日間で、各人の持ち出し5万円。水筒や作業服を持っての出発でした。
学生達の動機は様々です。その一人の北島直人は「被災地の現場を自分の目でしっかり見ておきたい」といいます。三橋健太は「とにかく身体を動かすことで活動したいんです」。五十嵐祐介は「体験こそが大事と思っています」、そして古川裕介は「ボランティアは2度目ですがこの島はまだ人が入っていないと聞きます、何とか役に立ちたいです」と。
百の議論より一の行動。この学生の姿勢に心が洗われます。その一方で永田町は、アリバイづくりの現地視察とポスト延命策の復興論議。菅政権はなぜ若者の、いや国民なら誰もが持つ当たり前の目線を、失ってしまったのでしょうか。
まだ、島では水道も満足に使えない状況にあり、昔からある井戸で水を汲み、生活用水として利用しています。もちろん、飲み水は支援物資があります。水が自由に使えない状況を体験し、水の重要性が身に染みました。