(写真 青瓦台、韓国大統領官邸)
こんな発言を本当に現職の韓国大統領が口にしたのか、日本人の誰もが耳を疑ったに違いないでしょう。「(天皇が)訪韓したいなら、独立運動をして亡くなられた方々のもとを訪ねて謝罪すればいい」。
この発言を聞いた際の不快さをどう表現してよいか分かりません。通りすがりの酔っ払いに、突然に嘔吐を浴びせられたようなおぞましさに、怒りで身ぶるいがするというものです。
天皇を侮辱し、日本の歴史と日本人の心を踏みにじる、品性や品格の一片もない発言です。場末の居酒屋でチンピラが吐くような暴言を、こともあろうに一国の元首が公の場で発言したのです。
何年か前、ソウルの青瓦台を訪れる機会を得ました。金泳三大統領への表敬訪問であり、面会は都知事と駐韓大使と随行の私の3人です。大統領は「過去のことに捉われず、日本と韓国は未来志向で参りましょう」と穏やかに語っていました。
国際儀礼とはこういうものです。この柔らかい表現でも、いやむしろ柔らかい表現であればこそ、不幸な過去の歴史と韓国の人々の思いが滲むと言うものです。
自分の人気取りのための前後見境のない言動で、将来の日韓関係を確実に窮地に追いやるであろう大統領を選んだ韓国。その不幸に同情を禁じ得ないというものです。