Yuhiの読書日記+α

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プリンセス・トヨトミ

2011年09月14日 00時03分49秒 | 小説
万城目学著「プリンセス・トヨトミ」を読了しましたー!万城目さんの小説は、タイトルがとても個性的で、以前からすごく興味がありました。ホントはドラマ化もされた「鹿男」の話なんかを先に読みたかったのですが、知人がこちらを貸してくれたので、刊行順ではないけれど、こちらを先に読むことにしました。

で、肝心の感想ですが、正直イマイチ話にのれなかったかなーというのが正直なところ。文章は読みやすいし、知った地名がバンバン出てくるのも読んでいて楽しかったんですけど、なんだかテンポが悪いというか、途中からなかなかページを繰る手が進まなくなってしまって・・・(汗)。

いえ、決して面白くないというわけではないんですけどね。会計検査院の仕事の部分なんかは、とても興味深く読めましたし、松平・旭・鳥居のやり取りもとても面白かったんですよね。だから序盤はサクサク読めたし、これは面白くなりそうだなと期待していました。
それが期待しすぎにつながったのかもしれませんね。中盤になって、茶子や大輔た中学生達の生活が描写されはじめてから、何となくテンポが悪くなってきた気がします。

大輔が性同一性障害っぽい設定だとか、怖い上級生にいじめられる話とかは、このストーリーの中では、そんなに重要ではなかった気がします。それなのに、そこにページを割きすぎたがために、テンポが崩れちゃったのかな~と勝手な想像をしているのですが・・・。

序盤を読んで、会計検査院が国から補助金をもらっている先を丁々発止の上、やりこめるようなスッキリとしたストーリーを期待してしまったものだから、その後の展開が今ひとつ面白く思えなかった原因かもしれませんね。

このお話の核になるのは、「父と息子の絆」にあるんだろうし、そういう点では大輔のエピソードも蜂須賀のエピソードも必要だったんだろうけど、「大阪国」が存在するとかいう、大掛かりなセットのわりに、それがあまり機能せず、肝心の「プリンセス」自身も最後まで自分の血筋には全く気がつかないというのが、何とも肩すかしな気がして、ちょっと消化不良でした。

ちなみに、私としては、会計検査院を舞台にした小説を書いて欲しいな~。(そういえば、松平がアイス好きになった理由とか書かれていましたっけ???)