上砂理佳のうぐいす日記

7月18日(木)~23日(火)まで、茶屋町の「ギャラリー四匹の猫」で「夏への扉」展に参加します★

村田さんの記事

2006-12-18 | 06-07 コンペとショー
今朝の毎日新聞に村田隆和さんが(WFSでもおなじみのフィギュア番記者)、GPFの総括を書いていましたが、なんとなく違和感を覚えて憤慨しています。
「男女とも、優勝出来るはずのものを逃した。ジュベールとキム選手にあって、浅田、安藤、高橋選手には無いもの。それは“ミスを最小限に食い止める力だ”」…という内容のものでした。「手堅さの差」というタイトルでしたが、同じ内容はネットでもありましたので、貼ります→こちら。

SPでは良い演技でもFSで崩れるパターンを犯してしまう、という事に苦言を呈しているけれど、今回は、日本勢の異常なまでの体調不良続出(いや海外選手も)を最大限に考慮して書かなくてはならないのよ。明らかに異常事態です。これは。
三選手が決して、実力でまた精神力で劣っていたとは思えない。美姫ちゃんは明らかに踏み切りで力が入らない様子だったし、大ちゃんは言わずもがな。「手堅くまとめる」云々、の問題ではなかったと思う(もっとも、大ちゃんはあの状態でも「手堅くまとめた」点数は出して2位を死守したのだから、批判される筋合ではない)。
真央ちゃんの体調はわからないけれど、「こういうこともあるさ」という演技で、決してボロボロではなかった。むしろ「ミスを最小限に食い止めた」部類に入ると思います。観客は、全てのエレメンツに大きな拍手を送っていたし、動揺しながらも、必死に彼女の中で戦っていたように思えました。
3アクセルという最高難度の大技を抱えているのだから、完璧でないこともあって当たり前なのよ。でも、「いつもいつも完璧」を求められていたら、なんにも挑戦出来なくなってしまう。
私は特に真央ちゃんや美姫ちゃんのファンではないけれど、SPの二人を見ていたら、だんだんプログラムに自分の気持ちが入ってきて「人の心に訴えかける力」が出てきたな、と思いました。昨年から比べると技術精度がずっと上がっていて、「気持ちの入る余裕」が出てきたのだと思います。ユナちゃんとこの二人、誰が優勝してもおかしくないレベルで感動的でした。
今回は、ジュベとユナちゃんが結果として一番高いところに登ったけれど、「日本が外国選手に比べて劣っているもの」を分析すること自体がもう、マトはずれだと思う。

毎日新聞は、フィギュアに詳しい=通(ツウ)である、という驕りがあるのかもしれませんが、最近はやたら批判が神経質で、愛情が感じられないのが気がかりです。高校野球の記事ならば、たとえ大敗しても「健闘!青春の汗!」とホメ讃えるのにね。なぜなんでしょうね。
みんな忘れてるけれど、フィギュアも同じアマチュアスポーツ。10代の若い選手が世界の大舞台で戦う姿は、幼い子供たちや若い人にも大きな夢を与えるものなのに、批判ばかりしていても何の意味も無い。逆に、良い結果の時は神様の如く持ち上げるやり方も姑息。「結果至上主義」は、今の格差社会のひずみとリンクしてように思えて、そこがおおいにひっかかります。
今回のGPFは「日本勢惨敗」のように各所で報道してますが、私はそうは思わない。昨年に続き5人も出る時点で、既に「みんな、頑張ったなー」と褒め称えるべきだと思います。

記者はもっと、「これからスポーツをやろう!」と夢を抱く若い人を勇気づける記事を書いて欲しいと思う。こんな御時世なので、尚更そう思う。バッシングは「いじめ」にも通じる。選手側から「それは筋違いです」と、言い返す事は出来ないのだから、メディアの役割というものを考えて執筆してほしい。
そういう意味では、ニフティの青嶋さんは良いなーと思います。時々ちょっと「う~ん、若い執筆者の感覚だな~ついていけないかな~」とも思うけど(笑)。でも、最近の村田さんの記事よりはるかに好きだな。

↑の毎日のWEB記事には、大ちゃんと織田君へのエールがありました。これは新聞紙上では無かったもの。…で、これを読んで少々気をとりなおした私です。
きっと新聞記事しか読まなかったら、「ハラたつな~」で終わっていたかもしれない。紙面というものは文字数に限りがあるから、各選手へのフォロー記事まで掲載できない、という難しさをこちらも読みとらねばならない、ということかもしれません。

(TVのFSの感想はまた後に…どう書いたらいいのか思案中)
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4 コメント

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それ、読みました (ヤス)
2006-12-18 20:42:32
こんばんは。私もその記事読んでちょっとむかっときましたよ。私も新聞で読みましたが、こちら地方の紙面にはエール部分はのっていたので、可愛さ余って憎さ100倍みたいなところかと思い直しました。
現地まで行って何を書いてるの、と思います。きっと試合どころじゃない状態だったでしょうにね。
とにかく全選手自国でゆっくり休んで、東京に大集合してほしいです。

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こんばんは~ (うぐいす)
2006-12-18 23:46:46
ヤスさん、こんばんは。
そうですか~。私の読んだ毎日大阪版には、エール部分がなかったので、「ムカー!」ときてブログ書いたんですが、リンク貼ってるときに「あ、エールがある」とわかってまた書き直しました。
新聞ってけっこう毎日読むものだし、影響されてしまいますね。気をつけてるんですが。
村田さんはどうも「上から見下ろして書いてる」ところが、トリノ前くらいから目について嫌いになったんですわ。それに、自分のお気に入りの選手とそうでない選手は、かなり差をつけて描写してるように思うんです。
今回は急な体調不良の原因を探るのが、マスコミの一番の使命ではないかしら。たとえ、選手の過失でも、解明されることで次への教訓として生かせますしね。
だから、「大事なことすっとばして何いってるの!」って本当にハラたちましたね。
私は抗議文も毎日のスポーツ部に送ったことがあるので、今回も書き送ろうと思っています。

さっき、報道ステーションで「安藤選手は風邪と診断」と出てましたが、大ちゃんはどうなのかしら。
みんな早く帰国して、元気になってね!とエールを送りたいですね。
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はじめまして! (LALA)
2006-12-19 21:05:03
以前から拝見させていただいてたのですが、うぐいすさんの書かれる文章は選手一人一人に対して愛が感じられて、読んでいてあったかい気持ちになりますね。

今回のGPFの結果を受けて「日本勢惨敗」などと書いた記者はスケートのことなんて何も分かっちゃいないんだと思います。今回の真央ちゃんの失敗だって、いくら強い選手だって調子悪い時があって当然だと思うし。

日本が「世界に誇るスケート大国(by某TV局)」になったというなら、取材する記者の側にももっとこのスポーツに関して勉強して欲しいですし、それが強国のマスコミの義務なんだと思います。

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こんにちは! (うぐいす)
2006-12-20 01:21:45
>LALAさん、はじめましてですね。こんにちはー。
丁寧なコメントをどうもありがとうございます。
私自身は、フィギュアはもう四半世紀も見てることになるので(お馬鹿ですが^^;)、けっこう演技に対しては辛口になっちゃうんですけど、マスコミが年若い選手を無責任に叩くのは、どうしても許せないんです。
なんで「惨敗」なんでしょうねー?チーム対抗戦でもなく、男女とも全員メダル!なんて、そんなに世界は甘くないですよね。
やっぱりテレビは、今まで見てきてもNHKが一番、フィギュアを理解しているし、妥当な報道だと思います。民放は「視聴率を取る」報道・番組作りに傾いているところが多い。
スポーツ紙で真央ちゃんの転倒した写真を大きく載せているのも、余りにもかわいそうだと思いました。昨年のGPFの時も美姫ちゃんの転倒写真をデカデカと載せていましたが、単に「はやしたてて喜んでいるだけ」。
なんだろう。マスコミの人間自身もストレスが溜まっていて、攻撃する対象が欲しいのかしら?
このあいだ、「いじめをやる人間は、自分のストレスのはけ口として弱い者をいじめている」…と心理学者の解説があったのですが、もしかしてそうなのかも。
スポーツって、人が勇気をもらったり元気になったりする為にあるのだから、バッシングする為にあるのではない、と思います。
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