上砂理佳のうぐいす日記

7月18日(木)~23日(火)まで、茶屋町の「ギャラリー四匹の猫」で「夏への扉」展に参加します★

85年東京のビット

2007-03-12 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
週末は、自分が「外回り営業」でした。寒い!寒くて「C」はまだ飲めない!
関大前も通りました。大ちゃんみたいな男の子がドカドカと車両に乗り込んでくる。女の子は皆、お洒落で可愛い。大阪は「寒の戻り」で、まだサクラのつぼみも固く、開花予想は25日に変更されました。東京はやっぱ18日かなー?
アイスアリーナのあるT市でお友達と会って、我々も世界選手権へ向けての最終調整です。なんせ「遠征」「上京」ですけん。。。Tちゃん、お花ありがと。
やっぱり花束貰うと嬉しいね。ワールドでも投げこもうかな。私は男子SPは背面側だから、投げ込むとしたらSPがチャンスなのよ。FSはジャッジ側なので多分届かない~。でも、ウデに覚えのある方はしっかり投げ込んで下さいね。

またまたフィギュア本ですが→扶桑社から出てる「パーフェクトブック」
立ち読みでパラパラと…でも熱心に読んでしまった。
後発にしては情報がやや遅いのかな。男子解説の佐野稔センセイは「ランビエール、ほぼ欠場でしょう」と言ってしまってるし。いつのインタビューや~。でも写真は美しいので「写真集」としては一番イイかも。
表紙にもなってる、大ちゃんの横顔の写真が好きです。ベストショットやわ。とてもあの「ぽよよ~ん」とした人と同一人物とは思えない(^^;)。あ、でもジェフの紹介が2頁しかない!
日本女子の3人がメインで、男子は追いやられてる~。各選手インタビューもないので、「今までの報道記事のおさらい」的ではありますが、毎日ムックみたいな「毒」は無い。真面目でシンプルな作りで好感持てました。

冒頭で、85年東京世界選手権金メダル、カタリーナ・ビットのインタビューがありました。とても泣けます。私にとっては特別の人なので。
1985年…この年の始めに、我が家に初めてビデオデッキが登場。父親が某電器系企業にいたので、安めに購入出来たのでした。そしてテープも3本か4本、会社から「おごそかに」持ち帰ってきてくれました。
ビデオテープは1本、確か2500円くらいはしたと思います。その当事の貨幣価値を鑑みても、高っ 高すぎる!!家族は「へ~っ」「はあ~っ」「ほお~っ」と、デッキとテープを遠まきに眺めるのみでした。
その大事な大事なテープを駆使して、フィギュアの世界選手権を録画する為に、必死で操作を習得した私でした。うぐいす家のモンは皆、超ズボラなので、父親ですらビデオの使い方を知らん(笑)。

そして私は人生で初めて「予約録画」に成功し、カタリーナ・ビットやブラインアン・オーサーの演技をテープに収める事が出来たのです。
まあ、その嬉しかったのなんのって。
この時の女王、ビットの美しさときたら。もう、テープが擦り切れるまで見ました(なので、現存していません)。
カタリーナ・ビットは19歳だったから、今の美姫ちゃんみたいな感じかな。本当に「世界一」美しい選手だと思いました。前年の84年サラエボ五輪で金メダルをとった時の演技が素晴しくて、あれはビデオ録画もしていないのに、今でも目に焼きついています。
ジャンプは、トゥループとサルコゥの2種類しか跳んでいないんですが、あとは2アクセルと2ループ+2ループのコンボとか。
でも、ビットはジャンプも端正で正確でしたが、何より「全ての動きが絵になって」いました。手の動き、顔の表情、スピンに入る時、出て行く時、ステップの終わり方、とか、ちょっとした細部に至るまでスキが無く、全部が完璧に美しい。
もともとプロポーション抜群の美女だったのに加え、特にステップがフロアでやるのと変わらない位、華やかでかつ洗練されていて、「もう、女王はビットしかいない!」というオーラで溢れていました。バンケットでも美人、インタビューでも美人、エキシビでも美人、「欠点が何も無い!」人でした。

男子もとてもエキサイティングで良い試合でしたが、それはまた別の時に語るとして、この時のビットの輝きは、東京のお客さんの湧き方=呼吸とぴったり合っていて、実に幸福に満ちていました。これ以上無い、というぐらい。
私は、カルガリー五輪でで2回目の金メダルをとった「カルメン」よりも、この時の「パリのアメリカ人」の方が大好きで。
当事の女子は、ミュージカルナンバーを使う人が割と多かったんですよね。だから、軽快で華やかで快活なイメージだった。そのせいか、ステップが今の女子よりずっと多彩でダンサブルでした。うん、ジャンプがどうのこうのより「演技」として楽しかったし、美しかった。

ビットが「特別な思い出」として、東京世界選手権を語ってくれるのも解るような気がします。NHK杯でも来日していて、とてもとても人気がありました。日本で彼女は、いつも幸福な時間を過ごせたのではないかな。
その後、東ドイツの選手だったビットは、東西ドイツの併合で環境が変わり、紆余曲折を経てアメリカへ…とこの辺りの経緯は伝記本を読んでいないので、私も詳細はわかりませんが。でも、余り知りたくないというか。
やっぱりこの84年~88年までの全盛期、18~22歳の頃が、ご本人にとっても一番、輝いていたんじゃないかな、と思います。
その記憶は私の中で、今でも燦然ときらめく宝石みたいに残ってる。
この、今回の世界選手権も、「きらめく宝石」になればいいなあ。そうなるように、いち観客として「気」を送らなきゃね。

ビットが、
「すばらしい演技が出来た選手はおおいに讃え、残念な結果に終わった選手には励ましの拍手を送って欲しい」
…と語っていますが、ホンマやな、と思いました。
日本のお客さんは温かいから、そうなることとは思いますが。
そんなこんなで、特に85年のビットを思い出してジ~ンときた私でありました。

あ、そして男子の解説は前述のように、佐野稔センセイなんですが。
この本の収録時点では「ジュベールVS高橋」の優勝争い、となっている。佐野さ~ん、あのー。ランビエール君も出ます~。現チャンピオンです~。
大ちゃんの3アクセルを、GPFの時に佐野氏が「いいですねえ~世界一ですねえ~」と言っていたのが、私はちょっと「?」だったんですが、この本の解説により謎が解けました。ふむふむー。軸がまっすぐですか。
佐野氏の大ちゃんへのリクエストは
「SPで4回転を1個 FSで2個!」
だそうです。うはあ。でも…やってくれるよな予感も。
コメント (10)
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